テザー支援の米国向けステーブルコイン「USAT」、セロで稼働開始。ガス代支払いにも対応

イーサリアムメインネット以外で初の展開

テザー(Tether)が支援する米国市場向け米ドル建てステーブルコイン「USAT」が、イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ブロックチェーン「セロ(Celo)」で稼働を開始した。セロの開発を担うセロ・コア(Celo Core Co.)が7月29日に発表した。

USATがイーサリアムメインネット以外のネットワークに展開されるのは今回が初めて。セロは、USATをネイティブにサポートする2つ目のネットワークとなった。

USATのセロへの展開計画は3月31日に発表されており、今回、実際の稼働が開始された形だ。

セロではUSATをネイティブに発行・焼却(バーン)できる。また稼働開始初日から、USATをネットワークのガス代支払いに利用可能となっている。

セロは、ERC-20規格のトークンをガス代の支払い通貨として利用できる手数料抽象化の仕組みを備える。これによりユーザーは、USATを送金・利用するために、ネイティブトークン「CELO」を別途保有する必要がない。セロによると、同ネットワークではガス代支払いの半数超が、すでにステーブルコインで行われているという。

またセロ側によると、同ネットワークは週次アクティブユーザー数ベースで、テザーの米ドル建てステーブルコイン「USDT」における最大の流通ネットワークになっているという。セロは、ブロックチェーンをまたぐUSDT送金の28%を占めるとのこと。

発表時点で、セルフカストディ(自己保管型)ウォレット「バローラ(Valora)」がセロ上のUSATに対応している。また、1,800万人超のユーザーを抱えるオペラ(Opera)のセルフカストディ型ウォレット「ミニペイ(MiniPay)」も、今後セロ上のUSATに対応する予定だ。

このほかセロ上のUSATは、レンディングプロトコル「モルフォ(Morpho)」、クロスチェーンインフラ「スクイッド(Squid)」、分散型取引所(DEX)「ユニスワップ(Uniswap)」との連携も予定されている。これにより、セロ上のUSATの貸し借りやクロスチェーン移動、交換などが可能になる見込みだ。

USATは、2025年7月に成立した米国のステーブルコイン規制法「ジーニアス法(GENIUS Act)」の下で運用されることを前提に設計されたステーブルコインだ。発行体は、米連邦認可を受けた暗号資産(仮想通貨)銀行アンカレッジ・デジタル・バンク(Anchorage Digital Bank)であり、テザーは発行体ではない。

なおセロは、2025年3月26日にEVM互換のレイヤー1ブロックチェーンから、イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンへ移行した。L2への移行には、OPラボ(OP Labs)提供のブロックチェーン開発キット「OPスタック(OP Stack)」が用いられている。

参考:セロ
画像:iStocks/PIXTA

関連ニュース

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

日立、アンソロピックのAIで重要インフラのセキュリティ検証を加速

日立製作所が、米アンソロピック(Anthropic PBC)が推進するAI活用セキュリティプログラム「プロジェクト・グラスウィング(Project Glasswing)」において、先進AIモデル「クロード・ミュトス・プレビュー(Claude Mythos Preview)」を活用した脆弱性の特定および修正の取り組みを進めていると7月28日に発表した

日立、デジタル資産取引におけるAML実証実施。実務適用可能性を確認

日立製作所が、金融機関や暗号資産関連事業者など、暗号資産(仮想通貨)・ステーブルコイン・NFTなどのデジタルアセット取引におけるマネー・ローンダリング対策に向けた、不正検知の早期化と精度向上を目的とした実証実験を実施し、実務適用可能性を確認したと7月30日に発表した