米Geminiがゴールドマンサックス元幹部を採用しアジア進出の動きを加速か

米Geminiがゴールドマンサックス元幹部を採用しアジア進出の動きを加速か

アメリカ暗号資産(仮想通貨)取引所のGemini(ジェミナイ)がゴールドマンサックス元幹部の採用とシンガポールでのライセンス取得を計画していることを明らかにしたとThe Blockが報じた。

Geminiはゴールドマンサックス幹部であったJeremy Ng (ジェレミー・ン)氏をアジア地域のマネージングディレクターとして採用し、同社のアジア太平洋地域への進出の動きを加速させている。ジェレミー・ン氏はゴールドマン・サックスで、香港とシンガポール地域の証券部門の責任者を務めていたとのこと。

またGeminiはシンガポールの金融規制当局であるシンガポール通貨庁(MAS)からシンガポール国内でのライセンス取得も計画しているとのこと。ちなみにMASは2020年初頭に、シンガポール国内で営業するすべてのクリプトビジネスにMASへの登録と金融ライセンス取得を義務付ける新しい決済法を可決している。

Geminiの広報担当者は「私たちは今年の初めに(シンガポールで)ライセンスを申請する意向を示していました。今ではライセンスを申請するための要件が整っています。またそのためにCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を雇用しました」とThe Blockの取材に対して答えている。

編集部のコメント

The Blockの取引量指数によると、Geminiの世界全体での取引量シェアは0.81%に及ばないことが明らかになっています。2020年5月のGeminiの取引高は8億6,230万ドルで、Coinbaseは111億5,000万ドルとなっています。

「なぜGeminiの取引量が低ボリュームなのか?」という疑問に対して、クリプトトマーケットメーカー「B2C2」の創設者であるMax Boonen(マックス・ブーネン)氏は「これまでGeminiは機関投資家のためのサービス提供にフォーカスしてきました。市場に存在する機関投資家の多くは、従来の金融市場と同様に、OTC(店頭取引)を好む傾向があるのでリテール取引のように取引量に現されないのです」とThe Blockに対して答えています。

一方でGeminiはChainlink、Basic Attention Token、Daiなどリテール投資家向けの通貨をリスティングをしたこともあって、戦略変更を行なっている可能性もあります。

米国国内の機関投資家向けの暗号資産ビジネスは一旦飽和していて、アジア、ヨーロッパ市場へ参入が激化していくような流れを感じます。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

(images:iStock /antoniokhr)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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