NYSE、トークン化証券を取引可能にする規則変更を米SECに提出

SECへの提出と同時に即日有効

ニューヨーク証券取引所(NYSE)が、トークン化された有価証券を既存の注文板上で取引できるようにする規則変更を米証券取引委員会(SEC)に4月9日に提出し、即日有効となった。これは、3月に承認されたナスダック(Nasdaq)の規則変更とほぼ同じ内容で、米国の主要取引所がトークン化に向けた制度整備を本格化させるものだ。

今回の規則変更は、預託信託会社(DTC)が2025年12月にSECスタッフから取得したノーアクションレターに基づくものだ。同レターにより、DTCは保管する株式のトークン化エンタイトルメントを発行するパイロットプログラムを開始できるようになった。期間は3年間で、終了後にDTCはサービスをいったん終了する予定だ。

ナスダックはSECから3月18日に規則変更の承認を受けており、NYSEの今回の規則変更はその内容をほぼそのまま踏襲している。

トークン化された証券と従来型の証券は、同一の注文板で同一の執行優先順位ルールに従って取引される。両者は同じCUSIP番号・取引シンボルを持ち、配当受取権・議決権・清算時の残余財産請求権など株主としての権利も同等でなければならない。条件を満たさないトークン化商品(デリバティブ、ADRなど)は別銘柄として扱われる。

メンバー組織(加盟組織)は注文入力時に「トークン化フラグ」を選択し、ブロックチェーンの種類とウォレットアドレスを指定する。NYSEはこの指示をDTCに連携し、DTCが決済後にトークン化または非トークン化の処理を行う。ウォレットやブロックチェーンがパイロットプログラムに対応していない場合は、自動的に従来型で決済される。

規則変更の申請書によると、取引システムや手数料体系、マーケットデータ、相場監視の仕組みはトークン化証券と従来型証券で区別されない。また、NYSEは今後DTC方式以外のトークン化手法を採用する場合は、別途SECに規則変更を申請するとのこと。

NYSEは取引開始の少なくとも30日前にメンバー組織へ通知する。実際の取引開始はDTCのインフラ整備完了を前提としており、ナスダックの承認時の情報によれば2026年第3四半期末が目安とされている。またSECは規則変更の提出から60日以内であれば、公益や投資家保護の観点から本規則変更を一時停止することができるとのことだ。

参考:規則変更案
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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