世界経済フォーラム(WEF)がユーザーの権利を保護・保全するためのブロックチェーン16原則を発表

世界経済フォーラム(WEF)がユーザーの権利を保護・保全するためのブロックチェーン16原則を発表

世界経済フォーラム(WEF)が分散型の未来のための基礎的な価値観を構成する16の利用者の権利原則である「Blockchain Bill of Rights」を発表した。

この「Blockchain Bill of Rights」は、ブロックチェーンプラットフォーム参加者の権利を尊重するために制作されたものだ。企業がブロックチェーンアプリケーションを構築する際のユーザーデータ保護のため、世界的なベースラインを確立させる狙いだ。

世界経済フォーラムは新型コロナウイルスの影響で、業界を超えてブロックチェーン技術の開発と利用を加速させたと考えていて、さらにブロックチェーン技術が次のフェーズでスケールアップするためには、官民のグローバルな連携が必要だと思い「Blockchain Bill of Rights」を早急に提示したとのことだ。

「Blockchain Bill of Rigths」の16原則は以下となっている。

1.サービスの潜在的なリスク、ソースコードの利用可能性、それをベースにしたルールや基準など、サービスがどのように運営されているかを理解すること。
2.ブロックチェーン技術を利用したサービスの潜在的なリスクとメリットを理解すること。
3.システムパフォーマンスの期待値を理解し、サービス提供の責任がどこにあるのかを理解すること。
4.制度の異なる参加者の権利と義務を理解すること。
5.暗号鍵の作成、管理、独立した保管を行うこと。
6.第三者システムに保存されているデータの同意を管理すること。
7.相互運用可能なシステムまたはシステムの一部間のポートデータが存在すること。
8.将来必ずユーザーのデータは収集されなければならないというコンセンサスを取り消しておくこと。
9.システムの相互運用性を促進するのに十分な情報にアクセスできること。
10.監査結果、証明書、またはソースコードの審査を含むがこれらに限定されない適切な開示手続きを通じて、自社のデータがリスクにさらされているかどうかを評価すること。
11.国際的に認められた技術的なセキュリティ基準に従ってデータを保護すること。
12.データ収集は必要なものに限定し、データ利用は提供された目的の範囲内で行うこと。
13.サードパーティ製または自作のツールを使用して、システムのルールに従って操作が完了し、確認されていることを確認すること。
14.必要な情報にアクセスできること。それはシステムのガバナンスとルールを理解し、効果的な救済メカニズムを追求するために必要な情報にアクセスできること。
15.国際的に認められたガバナンスとデータ保護基準に従ってデータを取り扱わないアプリケーションの使用を除外(オプトアウト)すること。
16.必要に応じて、明らかに誤ったデータ、不正確なデータ、または不完全なデータを修正すること。

世界経済フォーラムのブロックチェーンとデータポリシーの責任者であるSheila Warren(シーラ・ウォーレン)氏は「グローバル・ブロックチェーン・カウンシルのメンバーは、ブロックチェーン技術が何に適しているのか、どこに向かっているのか、ビットコインのマキシマリストから企業のサービス・プロバイダーまで、様々なイデオロギー的視点を反映しています。非常に意見の一致したグループが集まり、ブロックチェーンコミュニティには今日我々が提示している基礎となる原則が必要だということで一致しました。評議会メンバー全員の意見が一致したことは異なる見解にもかかわらず、このような価値観に基づいた文書が必要であることを示しています」とコメントしている。

編集部のコメント

「Blochcahin Bill of Rights」は世界経済フォーラムのグローバル・ブロックチェーン・カウンシルが1年以上かけて開発したもので、そこにはブロックチェーンの現状と将来について様々な関心や視点を持つ人々が集まっているとのことです。

具体的なメンバーとして、Accenture(アクセンチュア)、Deloitte(デロイト)、Hyperledger(ハイパーレッジャー)、ConsenSys(コンセンシス)、Everledger(エバーレッジャー)、Z Cash(ジーキャッシュ)、OECD(経済協力開発機構)、UNWFP(国際連合世界食糧計画)などが明らかになっています。

世界経済フォーラムはブロックチェーンへの取り組みが先進的かつクリティカルで非常に喜ばしく思えます。例えば、4月6日に世界経済フォーラムはブロックチェーン開発のためのツールキット「Blockchain Deployment Toolkit」を発表しました。

世界経済フォーラムはブロックチェーンを積極的に牽引していこうとしているグローバル組織の一つです。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:artsstock,Sakramir,xu-bing)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【11/8話題】ビットバンクがBitbank Ventures設立、米デトロイト市が暗号資産での納税を受け入れへなど(音声ニュース)

ビットバンク、投資事業子会社「Bitbank Ventures 合同会社」設立、米デロイト市、暗号資産での納税を2025年から受け入れへ、仏当局が「ポリマーケット」を調査、トランプへの賭けでフランス人が約7,900万ドル獲得、スイス中銀総裁、暗号資産になお警戒感「現金決済は今後も重要」、コインベース、ラップドビットコイン「cbBTC」をソラナに導入、JPモルガンのブロックチェーン決済「Onyx」が「Kinexys」に名称変更、FXサービス導入も、バイビットがジョージアでVASPライセンス取得、取引サービス提供可能に、ブロックチェーンでエッセンシャルワーカーの社会貢献行動を可視化、チェーントープが「Chaintope Greeners」提供へ

Sponsored

スイス中銀総裁、暗号資産になお警戒感「現金決済は今後も重要」

スイスの中央銀行であるスイス国立銀行(SNB)のマルティン・シュレーゲル(Martin Schlegel)総裁が、中銀はビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)に警戒しているとした上で、現金はスイスの決済システムにおいて今後も重要な役割を担うだろうと11月7日述べた