テラフォーム清算人、ジャンプトレーディングに40億ドルの損害賠償求め提訴=報道

テラ清算人がジャンプを提訴

暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「テラ(Terra)」を展開していたテラフォーム・ラボ(Terraform Labs)の清算を担う計画管理人が、米トレーディング企業ジャンプ・トレーディング(Jump Trading)を相手取り、約40億ドル(約6,228億円)の損害賠償を求めて提訴した。訴状は現地時間12月18日に提出され、12月19日に米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal:WSJ)」が報じた。

報道によると、破産裁判所により計画管理人に任命されたトッド・スナイダー(Todd Snyder)氏が、ジャンプおよび同社共同創業者のウィリアム・ディソマ(William DiSomma)氏、暗号資産取引事業の元社長であるカナブ・カリヤ(Kanav Kariya)氏を被告として訴訟を起こしたという。

テラフォーム・ラボは2022年、アルゴリズム型ステーブルコイン「テラUSD(UST)」が米ドルとのペッグを失い、ネイティブトークン「LUNA」も急落したことで崩壊した。この一連の事象により、市場全体で約400億ドル(約6.25兆円)規模の損失が生じたとされている。

同社は2024年1月に米国で破産を申請。その後、米証券取引委員会(SEC)との民事訴訟で約45.5億ドル(約7,090億円)を支払うことで和解に合意している。また創業者ド・クォン(Do Kwon)氏は、米国で刑事事件の罪状を認め、12月11日に懲役15年の判決を受けたと報じられている。

訴状では、ジャンプがテラ崩壊前にテラUSDの価格維持を目的とした秘密の合意をテラフォームと結び、崩壊後に数十億ドル規模の利益を得たと主張している。

WSJによれば、SECは過去の提出書面において、ジャンプがLUNAの売却により約10億ドル(約1,557億円)の利益を得たとしている。また、テラUSDのペッグ維持を目的として設立されたルナ・ファウンデーション・ガード(Luna Foundation Guard)が、2022年5月の再ペッグ逸脱時に使用目的を定めた書面合意がないまま、約50,000BTCをジャンプに移転したとのこと。

一方でジャンプ側は、今回の訴訟について主張を否定し、争う姿勢を示しているとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。

なお、ジャンプの完全子会社であるタイ・モ・シャン(Tai Mo Shan)は、2021年のテラUSD取引を巡るSECの調査に関連し、2024年12月に約1億2,300万ドル(約192億円)を支払うことで和解している。また、テラフォーム・ラボの破産手続きでは、これまでに約3億ドル(約467億円)の資産が回収されているという。

参考:WSJ
画像:iStocks/berya113

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