オンドファイナンス、SECの調査終了。RWAトークン化事業への懸念解消

SECがOndoの調査を終了

機関投資家向けに金融市場のオンチェーン化プラットフォームを提供するオンド・ファイナンス(Ondo Finance)が、米証券取引委員会(SEC)による調査が終了したと12月9日に発表した。SECは今回の調査について、いかなる異議申し立てや違反の指摘も行わずにクローズしたという。

オンドによると、この調査は2024年頃に開始されたもので、同社が現実世界資産(Real World Assets:RWA)をトークン化する際の連邦証券法への準拠状況や、同社が発行する暗号資産(仮想通貨)「ONDO」が証券に該当するかどうかが主な検証対象だったという。同社は調査期間を通じて全面的に協力していたと説明している。

同社は今回の調査終了について、自社のトークン化事業に関する懸念が解消されたと説明している。また米国市場におけるトークン化証券の普及に向けた環境整備が進む可能性にも言及している。同社は米国債や公開株式といった伝統的金融資産のトークン化は、投資家保護の観点とも整合的であるとの考えを示している。

また調査開始当時の2024年はデジタル資産企業に対し規制上の不確実性が大きかった時期であり、オンドのように米国債のトークン化規模を拡大していた企業も広範な調査の対象となったという。

しかし今年に入り、米国の政策環境がトークン化に対して建設的な方向へ移行しつつあるとも説明している。実際にSECがトークン化を正式な検討項目に含めたほか、CFTC(米商品先物取引委員会)がステーブルコインを含むトークン化担保の利用に関する新イニシアチブを開始するなど、市場インフラの近代化に向けた議論が進展しているという。

米株式市場では、ナスダック(Nasdaq)が上場株式や上場投資商品(ETP)のトークン化証券での取引を可能にする規則変更をSECに申請するなど、取引所レベルでの検討も進んでいる。

なおオンドは、2025年に買収した米オアシス・プロ(Oasis Pro)を通じて、米国でのブローカーディーラー、代替取引システム(ATS)、トランスファーエージェントの各ライセンスを取得している。同社はこれらの登録基盤を活用し米国市場向けのトークナイズ証券事業を進める方針とのことだ。

参考:オンド・ファイナンス
画像:PIXTA

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