フィリピンSEC、未登録の暗号資産取引所への取り締まり強化へ

OKXやKuCoinなど10取引所を名指しで警告

フィリピンの証券取引委員会(SEC)が、国内投資家に対して未登録・未承認の暗号資産(仮想通貨)プラットフォームでの取引を控えるよう、注意喚起をした。8月1日付で公表された新たな通達では、10の取引所が名指しされており、フィリピンSECの登録なしにフィリピン国内で営業活動や宣伝を行っていると指摘されている。

今回対象となったのは、OKX、バイビット(Bybit)、MEXC、ビットゲット(Bitget)、クーコイン(Kucoin)、フィーメックス(Phemex)、コインエックス(CoinEx)、ビットマート(BitMart)、ポロニエックス(Poloniex)、クラーケン(Kraken)だ。

フィリピンSECによれば、これらの取引所は現地で積極的にマーケティングを展開し、多くがフィリピンからアクセス可能な状態にあるという。

フィリピンSECは、これらのプラットフォームが適切なライセンスや認可を受けておらず、国内の投資家を重大なリスクにさらしていると警告。また、未登録の暗号資産プラットフォームが資金洗浄やテロ資金供与(ML/TF)に悪用される恐れがあるとし、このようなプラットフォームへの継続的なアクセスは、フィリピンが越境での不正資金の流れや評判リスクにさらされる可能性があり、金融活動作業部会(FATF)のグレーリストに掲載される懸念が生じるとした。

さらにフィリピンSECは、国内ユーザーに向けて具体的な注意喚起も行っている。登録のないプラットフォームでの取引や投資を避けること、SNSやインフルエンサーによる暗号資産の宣伝に注意を払うこと、そして無許可の募集・販売・マーケティング活動を見かけた際は関係機関へ通報することを呼びかけている。

違反が確認された場合、フィリピンSECは以下のような執行措置を講じる構えだ。業務停止命令の発出やウェブサイト・アプリのブロック要請、証券規制(SRC)および不公正取引防止法(FCPA)に基づく刑事告訴の提起、さらにGoogleやApple、Meta、TikTokなど大手プラットフォームとの連携によるマーケティング活動の削除要請などが含まれる。

フィリピンSECは昨年3月、国家電気通信委員会(NTC)と協力して大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)へのアクセスを遮断した。

バイナンスはフィリピンSECから認可を受けずにプラットフォームを運営しており、これらのウェブサイトやアプリへの一般市民の継続的なアクセスが、フィリピン人投資家の資金の安全性を脅かすとフィリピンSECは結論づけていた。

参考:発表
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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