米ワイオミング州、独自ステーブルコインのパイロットプログラムにAptos、Seiを採用

レイヤーゼロ活用でマルチチェーン展開も視野か

ワイオミング州ステーブルトークン委員会(Wyoming Stable Token Commission:STC)の、州発行の米ドルステーブルコイン「WYST」のパイロットプログラムで利用するブロックチェーンとして、セイ(Sei)と、アプトス(Aptos)が選定されたことが6月20日わかった。

なお選ばれた2つのブロックチェーンの他に、アービトラム(Arbitrum)、アバランチ(Avalanche)、ベース(Base)、イーサリアム(Ethereum)、ポリゴン(Polygon)、オプティミズム(Optimism)、ステラ(Stellar)、ソラナ(Solana)といった複数のチェーンがテスト対象であった。

ちなみに採用されたアプトスは32点、セイは30点で評価されている。

「WYST」は、米ドルと1:1でペッグされた、州が裏付ける初の米ドルステーブルコインであり、テストは2025年第2四半期中に実施予定。3月時点では、7月までのローンチの可能性が示唆されていた。

またワイオミング州は、オムニチェーンプロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」をトークン発行パートナーに迎え、「WYST」のテストを共同で行っている。そのため、「WYST」が複数のネットワークで同時にローンチできる可能性があると、ワイオミング州ステーブルトークン委員会のアンソニー・アポロ(Anthony Apollo)事務局長は暗号資産メディアDecryptに語っている。

なおアポロ事務局長によれば、「WYST」の裏付けで得られた利子は、四半期ごとに学校基金に振り込まれるとのことだ。

また海外大手暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)は、本社をワイオミング州シャイアンに移転し、米国での暗号資産イノベーションへコミットする姿勢を6月20日正式に表明した。

クラーケンは、ワイオミング州が、暗号資産に対する先見の明のある政策立案者や起業家が多く集まる地だとし、具体的には、デジタル資産を財産として正式に認める法律から、専用のフィンテック・サンドボックスの設立、プライベートキーの強制開示からの保護まで、30件を超える暗号資産に特化した法律を制定するワイオミング州のイノベーションへのコミットメントを高く評価した。

クラーケンは2021年、ワイオミング大学に対し、300,000ドルの助成金を出し、暗号資産教育プログラムを支援していた。

参考:Sei発表クラーケンDecrypt
画像:iStocks/ berya113・Дмитрий-Ларичев

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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