アイノビアがHYPEを準備金として構築へ
米証券取引所ナスダック(Nasdaq)上場の医薬品製造会社アイノビア(Eyenovia)が、暗号資産(仮想通貨)ハイパーリキッド(HYPE)の準備金構築を目的に、総額5,000万ドル(約72.5億円)のPIPE(上場企業の私募増資)を実施予定であると6月17日に発表した。
HYPEは、分散型取引所(DEX)およびその基盤となるレイヤー1ブロックチェーン「ハイパーリキッド(Hyperliquid)」の独自トークンだ。HYPEは、2024年11月29日にジェネシスイベントを通じて発行された。ローンチ後に価格は32.41ドルまで上昇したが4月7日には10ドル台まで下落。その後価格は上昇し続け5月26日には38.81ドルの値を付けた。そして今回の発表により、6月16日7:00頃40.23ドルだったHYPEは、17日に一時45.12ドルまで急騰した。記事執筆時点での価格は40ドル台を推移している。(2025.6.18 16:50コインゲッコー調べ)。
アイノビアはPIPEの実施に向け、適格機関投資家との間で株式譲渡契約(SPA)を締結したとのこと。これにより同社はHYPEを100万HYPE以上取得可能となり、「ハイパーリキッド」の主要なグローバルバリデーターになる予定だという。アイノビアがバリデーターになれば、「ハイパーリキッド」ではナスダック上場企業として初とのこと。
なお契約条件によると、アイノビアは議決権のない転換優先株式を発行するという。これは1株あたり3.25ドル(約471円)で約1,540万株の普通株式に転換可能となっている。また同価格で約3,080万株を購入可能なワラント(新株予約権)も発行されるという。すべてのワラントが行使された場合、最大1.5億ドル(約217.4億円)の総収益が見込まれるという。
アイノビアは今回の資金調達にあわせて、チョン・ヒョンス(Hyunsu Jung)氏を同社CIO(最高投資責任者)および取締役に任命したことも発表した。また社名を「ハイパリオンディファイ(Hyperion DeFi)」、ティッカーシンボルを「HYPD」へ変更する予定だという。なおヒョンス氏の経歴などは公表されていない。
さらに同社はHYPEのステーキングプログラムの導入も計画しているとのこと。HYPEの保管は、暗号資産カストディ企業アンカレッジデジタル(Anchorage Digital)が担うとのことだ。
参考:アイノビア・コインゲッコー
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