トランプ大統領、暗号資産プロジェクト「WLFI」から約82億円の収入を報告

2025年財務報告で明らかに

ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が、自身の家族が関わる暗号資産(仮想通貨)プロジェクトであるワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial:WLFI)から約5,740万ドル(約82億円)の収入を得たことが明らかになった。6月13日に米政府倫理局に提出された2025年財務開示書類から確認できる。

書類によれば、トランプ大統領は、不動産、メディア、出版、デジタル資産関連事業など、複数の事業から数千万ドルを超える収入があったことを報告。その中で暗号資産の収益として、CIC Digital LLC及びWLF Holdco LLCを通じて得た約5,740万ドル(記録上は57,437,927ドル)」を報告した。なお、今回の所得は、「トークンセールス収益」としてカウントされている。

さらに書類では、トランプ大統領がWLFIで157億5,000万ガバナンストークンを保有しており、議決権が付与されている旨も記載されている。

トランプ大統領とその家族は、暗号資産戦略を推進している最中にある。

トランプ大統領の息子であるエリック・トランプ(Eric Trump)氏は6月7日、WLFIが、トランプ大統領の公式ミームコイン「OFFICIAL TRUMP:オフィシャルトランプ(TRUMP)」を長期準備金として相当数を取得する計画であることを表明。

また、ドナルド・トランプ大統領のメディア企業トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(Trump Media & Technology Group:TMTG)は、ビットコインの投資に向けて約25億ドル(約3,605億5,000万円)を調達することを5月に発表。6月には、TMTGが最大120億ドルとなる新規証券の登録を報告している。なお発行した際の収益は、ビットコイントレジャリーの創設および一般的な企業目的に使用される予定とのことだ。

なお、TMTGが米証券取引委員会(SEC)に提出していたビットコイン・トレジャリー関連の株式・転換社債の再販登録を含む有価証券の包括的登録届出書(Form S-3)は、6月13日付で有効と認められた。

参考:2025年財務開示書類提出書類(Form S-3)

画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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