JPモルガンが暗号資産ETFを融資担保に受入れか
米銀行大手JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)が、同行顧客に対し、暗号資産ETF(上場投資信託)を担保とした融資を開始する予定だと、「ブルームバーグ」が関係者から得た情報として6月5日に報じた。
報道によるとJPモルガンは、今後数週間以内に同サービスを提供開始するとのこと。まずはブラックロック(BlackRock)のビットコイン現物ETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(iShares Bitcoin Trust:IBIT)」から対象に利用可能にするという。「IBIT」の現在の運用資産額は約700億ドル(約10兆336億円)を誇る。
また報道では、JPモルガンの資産管理顧客の保有暗号資産を、純資産総額と流動資産の評価に入れるようになると関係者は述べたとのこと。
このことは、暗号資産が株式や自動車、美術品と同様に、顧客の借入可能額算定の際の基準になるということだ。
JPモルガンは、トークン化ファンドへの取り組みも進めている。
5月にはJPモルガンのブロックチェーン部門「Kinexys(キネクシス) 旧Onyx」が、ブロックチェーンオラクル・インフラプロバイダーであるチェーンリンク(Chainlink)、および機関投資家向けDeFi(分散型金融)プロトコルを提供するオンドファイナンス(Ondo Finance)と連携し、自社としては初めてパブリックブロックチェーンと接続したクロスチェーン型のトークン化米国債DvP(証券対代金同時決済)取引を実施した。
また「Kinexys」では昨年11月、金融機関向けのトークン化ファンドにおいて、プライバシーとデジタルアイデンティティの保護実現を目指す「プロジェクトエピック(Project EPIC)」を進めており、同プロジェクトでアバランチ(Avalanche)基盤の「アバクラウドプライバシーソリューション(AvaCloud Privacy Solutions:APS)」を採用している。
その他にも「Kinexys」は昨年11月に米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)と連携開始もしている。
参考:ブルームバーグ
画像:iStocks/LewisTsePuiLung