SECが暗号資産ETF審査の開始と延期
米証券取引委員会(SEC)が、21シェアーズ(21Shares)とグレースケール(Grayscale)が運用を計画する暗号資産(仮想通貨)現物ETF(上場投資信託)について、上場申請の承認可否を判断するための正式な審査手続きを5月20日に開始した。SECが同日付で文書を発行している。
審査手続きの対象となるのは、米証券取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)によって提出されたエックスアールピー(XRP)現物ETF「21シェアーズ・コア・XRP・トラスト(21Shares Core XRP Trust)」、米証券取引所NYSEアーカ(NYSE Arca)により提出されたドージコイン(DOGE)現物ETF「グレースケール・ドージコイン・トラスト(Grayscale Dogecoin Trust)」、XRP現物ETF「グレースケール・XRP・トラスト(Grayscale XRP Trust)」の計3件のETF規則変更案である。
SECは、これら提案された規則変更案が「詐欺的または操作的な行為の防止」および「投資家と公益の保護」に適合しているかどうかについて、さらなる分析を行う必要があるとして審査手続きを開始した。
またSECは今回の手続き開始に伴い、提案に関するパブリックコメント(一般からの意見)の提出を呼びかけている。コメント提出の締切は連邦官報への掲載日から21日以内であり、他者の提出に対する反論は掲載日から35日以内に提出する必要がある。
さらにSECは、米証券取引所NYSEアーカ(NYSE Arca)が提出した、ビットワイズ(Bitwise)が運用を計画するステーキング対応のイーサリアム(ETH)現物ETF「ビットワイズ・イーサリアム・ETF(Bitwise Ethereum ETF)」について、上場申請に対する承認の可否を判断するまでの期間を延長する決定を5月20日に下した。最終判断の期限は今年7月6日となる。
なおSECは5月19日に、21シェアーズ、ビットワイズ、カナリー(Canary)、ヴァンエック(VanEck)、フィデリティ(Fidelity)が運用を計画する暗号資産ソラナ(SOL)の現物ETFについて、上場申請に対する承認の可否を判断するための正式な審査手続きを開始している。
参考:21Shares Core XRP Trust・Grayscale Dogecoin Trust・Grayscale XRP Trust・Bitwise Ethereum ETF
画像:iStock/Funtap