Solana MobileのWeb3スマホ「Seeker」8/4出荷へ、独自トークン「SKR」導入も

Seekerの出荷が8/4に

レイヤー1ブロックチェーン「ソラナ(Solana)」のWeb3スマートフォン「ソラナシーカー(Solana Seeker)」が8月4日より全世界に出荷開始する。「ソラナ」の開発を主導するソラナラボ(Solana Labs)の子会社で「シーカー」開発元のソラナモバイル(Solana Mobile)が5月21日に発表した。

また同社は併せて、分散型インフラアーキテクチャ「TEEPIN(Trusted Execution Environment Platform Infrastructure Network)」および、独自トークン「SKR」を導入する計画も同日に公表している。

「ソラナシーカー」は、ソラナモバイルが2024年1月に予約受付を開始したWeb3スマートフォン「チャプター2(Chapter2)」のリブランディングモデル。これまでに15万台以上が販売されている。

今回ソラナモバイルが発表した新たなインフラである「TEEPIN」は、同社がWeb3モバイルエコシステムの分散化を進める中で、プラットフォームを他のハードウェアメーカーへと拡張するうえで中心的な役割を担うとのこと。

「TEEPIN」は、ユーザー・アプリ開発者・デバイスメーカーがセキュアかつ信頼不要なモバイル環境で相互に接続できるよう設計された、三層構造の技術アーキテクチャで構成されているという。この三層構造は、ハードウェア層・プラットフォーム層・ネットワーク層からなるとのこと。

ハードウェア層では、現代のスマートフォンにすでに搭載されている「TEE(Trusted Execution Environment)」を活用し、ソフトウェアおよびハードウェアの整合性を暗号技術により証明するという。

なお「TEE」とは、ICカードのセキュリティ等の標準技術の策定を行う非営利組織グローバルプラットフォーム(GlobalPlatform)が定める技術仕様のひとつ。プロセッサーを通常の実行環境と安全な実行環境に分割することにより、アプリケーションの安全な実行環境を物理的に確保するセキュリティ技術である。

またプラットフォーム層では、オンチェーンで認証されたユーザーとアプリが接続し、従来のモバイルアプリストアのような中央集権的な仲介者や高額な手数料を排除したうえで、グローバルなアプリ配信を可能にするとのこと。

そしてネットワーク層では、「ガーディアンネットワーク(Guardian Network)」と呼ばれるコミュニティリーダーや団体によって構成される分散型の信頼ネットワークが、デバイスおよびアプリケーションの運用・管理を担う仕組みとなっている。

また新たに導入されるトークン「SKR」は、ソラナモバイルエコシステム内の経済活動、報酬設計、プラットフォームの所有構造を支える基盤になるとのこと。「SKR」によって、ユーザー・開発者・ハードウェアメーカーのインセンティブが整合され、エコシステム全体が共同で所有される形へと進化することを目指しているとソラナモバイルは説明している。

「SKR」の導入により、従来のモバイル事業モデルにおける受動的な消費者という立場から、各ステークホルダーが能動的に参加する分散型モバイルプラットフォームへの転換が図られるとしている。

これまでの発表によると「ソラナシーカー」には、Android OSとは分離されたハードウェアベースの安全な保管領域シードヴォールト(Seed Vault)、譲渡不可のシーカージェネシストークン(Seeker Genesis Token)、セルフカストディ(自己管理型)ウォレットのシードヴォールトウォレット(Seed Vault Wallet)、個人識別に使用されるシーカーID(Seeker ID)、そしてアプリストアのソラナdApp(分散型アプリケーション)ストア(Solana dApp Store)が搭載されているとのこと。

なお同デバイスは、期間限定の早期購入価格として500ドル(約7万1,660円)で販売されている。

参考:ソラナモバイル
画像:iStock/eskymaks

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
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