米コインベースQ1決算、増収も費用増で減益、株価も下落

米コインベースQ1決算は費用増で減益

米暗号資産(仮想通貨)取引所大手のコインベース(Coinbase)が、2025年第1四半期(1月~3月)の純利益が減少したと5月8日に発表した。トランザクション(取引)およびサブスクリプション事業において収益が拡大したものの、コストの急増がそれを上回った。なお決算発表後の時間外取引で同社株は3%下落した。

同社によれば、当該四半期の営業費用は51%増の13億ドル(約1,875億円)となった。これは主にマーケティング費用の増加および、事業用として保有していた暗号資産の損失が要因であるという。

またドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領による不安定な通商政策が、年初からの3カ月間にわたり各資産クラス全体にボラティリティを引き起こし、金融市場を動揺させた。その結果、暗号資産のようなリスク資産の売却が広がったとみられている。

一方、同社のトランザクション収益は17.3%増の12億6,000万ドル(約1,818億円)となった。取引以外の事業を含むサブスクリプションおよびサービス部門の収益も37%増の6億9,810万ドル(約1,007億円)に拡大した。

全体の売上高は前年同期の16億4,000万ドル(約2,364億円)から20億3,000万ドル(約2,927億円)へ増加した。ただし、LSEGが集計したアナリスト予想の21億ドル(約3,028億円)には届かなかった。

調整後の純利益は5億2,660万ドル(約760億円)、1株あたり1.94ドルだった。前年同期は6億7,920万ドル(約981億円)、1株あたり2.53ドルであった。

なおコインベースは同日、オランダ拠点の暗号資産デリバティブ取引所デリビット(Deribit)を29億ドル(約4,189億円)で買収することで合意したと発表している。これによりコインベースは、暗号資産オプション市場への本格参入を図る。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Coinbase quarterly profit falls as expenses climb, shares down
(Reporting by Jaiveer Singh Shekhawat in Bengaluru; Editing by Anil D’Silva)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した