Ondo Financeが機関投資家向けRWAブリッジをSolanaに拡張

Ondo FinanceがレイヤーゼロとのRWAブリッジをSolanaに拡張

機関投資家向けDeFi(分散型金融)プロトコル提供の「オンドファイナンス(Ondo Finance)」が、機関投資家向けのリアルワールドアセット(RWA)ブリッジソリューション「オンドブリッジ(Ondo Bridge)」をソラナ(Solana)エコシステムに拡張したことを5月1日に発表した。

この拡張に伴い、「オンドファイナンス」の独自分散型検証ネットワーク(Decentralized Verifier Network:DVN)が正式に稼働開始し、最小限のトラストのみを前提に最大限のセキュリティを提供するとしている。

同ブリッジの拡張により、同社が発行する米国財務省短期証券に裏付けられた利回り付きステーブルコイン「USDY」の保有者は、イーサリアム(Ethereum)やアービトラム(Arbitrum)、ソラナなどの複数の大規模なエコシステム間でシームレスに資産を移動可能になった。

「USDY」はすでにソラナ上で利用されており、総預かり資産(TVL)は1億7,000万ドル(約260億円)を超え、15以上のプロジェクトと統合されているとのことだ。しかし、これまではソラナ上の「USDY」が他のエコシステムから孤立していたという。

チェーン間での「USDY」の転送は最大限に資本効率が高く、サードパーティのブリッジ環境で必要となる追加の外部資本を必要としないという。ブロックチェーンをまたぐプロトコルには、レイヤーゼロ(LayerZero)を使用しているため、発生するコストはガス代のみとのことだ。

なお今回のローンチでは、オンドの独自DVNも導入された。このDVNは、セキュリティを強化し信頼前提を最小化する重要な進歩だという。このDVNはオンドが発行する資産に特化した検証を特徴とし、「USDY」がチェーン間で移動する際に発生する各ミントおよびバーントランザクションを独立して検証するとのことだ。

オンドのブログによると、同社は「USDY」の次の展開として、グローバルなブロックチェーンエコシステム全体でRWAの多様性と可用性を拡大することに取り組んでいるという。また近日中に立ち上げ予定のオンドグローバルマーケット(Ondo Global Markets)では、オムニチェーン機能を核として米国株式をオンチェーン化する準備を進めていると述べている。

参考:オンドファイナンスブログ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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