テザー、ライトニングネットワーク活用の決済基盤「スピード」の8Mドル調達を主導

TetherがSpeedに出資

米ドル建てステーブルコイン「USDT」発行元のテザー(Tether)社が、ライトニングネットワーク(Lightning Network)活用の決済基盤を提供するスピード1(Speed1:以下、スピード)実施の総額800万ドル(約12.4億円)規模の資金調達ラウンドを主導した。テザー社が12月16日に発表した。

発表によると、ビットコイン領域特化のベンチャーキャピタル(VC)ファンドのエゴ・デス・キャピタル(Ego Death Capital)も同ラウンドをテザー社と共同で主導したとのこと。なお発表では、両社それぞれの出資額の内訳は明かされていない。

テザー社は今回の出資について、ビットコイン(Bitcoin)に整合した金融インフラの強化と、実際の決済環境におけるUSDTの利用拡大という同社の方針を推進する一環だと説明した。

スピードは、ビットコイン(Bitcoin)のライトニングネットワークとステーブルコインを組み合わせ、即時かつグローバルな決済基盤を構築している企業だ。同社は、USDTとビットコイン(BTC)での決済を可能にする。スピードによると、同社の直近12カ月の決済取扱高は15億ドル(約2,336億円)超だという。

また、同社提供の個人向けライトニング対応ウォレットアプリのスピード・ウォレット(Speed Wallet)と、加盟店向け決済受け付けサービスのスピード・マーチャント(Speed Merchant)は約120万人のユーザーと事業者に提供されているとのことだ。

ライトニングネットワークは、ビットコインブロックチェーンのオフチェーン・スケーリングソリューション。ブロックチェーンの外で取引を行うオフチェーン取引により、ビットコインの決済速度の向上や少額決済(マイクロペイメント)、安価な送金手数料を実現する技術だ。

ちなみにテザー社は12月12日、同社の独立投資部門テザー・インベストメンツ(Tether Investments)が、伊プロサッカークラブ「ユヴェントス・フットボール・クラブ(Juventus Football Club)」の筆頭株主エクソール(Exor)に対し、同クラブの株式取得の提案を発表。これに対しエクソールは12月13日、取締役会が同提案を全会一致で拒否したと公表した。

テザー・インベストメンツの提案では、ユヴェントスの発行済株式資本の65.4%に相当するエクソール保有分の取得が想定されていた。 

参考:テザー社
画像:iStocks/sakkmesterke・ChrisGorgio

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
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