SEC新委員長が初演説へ、業界関係者招くラウンドテーブルで

SEC、暗号資産カストディに関する規制を協議

4月21日に第34代委員長に正式就任したポール・アトキンス(Paul S. Atkins)氏が、米証券取引委員会(SEC)の暗号資産タスクフォースが主催するラウンドテーブル「Know Your Custodian: Key Considerations for Crypto Custody(カストディアンを知る:暗号資産の保管に関する重要な考慮事項)」に出席する。SECが公式Xにて4月23日発表した。

アトキンス氏はこのラウンドテーブルにて、SEC委員長として初演説を行う予定だ。

4月25日(米国東部夏時間)に開催されるこのラウンドテーブルでは、暗号資産の保管(カストディ)に関する規制上の課題について議論が行われる。

ラウンドテーブルには、SECからはパース委員をはじめ、キャロライン・クレンショー(Caroline Crenshaw)委員、マーク・ウエダ(Mark Uyeda)前委員長代理、タスクフォースのチーフオブスタッフのリチャード・ギャバート(Richard Gabbert)氏が参加予定である。

なお暗号資産関連企業からも多数の業界関係者が参加する。

具体的には、クラーケン(Kraken)の消費者事業・製品担当副社長マーク・グリーンバーグ(Mark Greenberg)氏、アンカレッジ・デジタルバンク(Anchorage Digital Bank)のチーフリスクオフィサーであるレイチェル・アンダリカ(Rachel Anderika)氏、エクソダス・ムーブメント(Exodus Movement)のチーフリーガルオフィサーであるヴェロニカ・マクレガー(Veronica McGregor)氏、フィデリティ(Fidelity Investments)のプロダクトマネージャーのテレンス・デンプシー(Terrence Dempsey)氏、ファイアブロックス(Fireblocks)の最高法務・コンプライアンス責任者のジェイソン・アレグランテ(Jason Allegrante)氏らが参加予定だ。

アトキンス氏の就任に際し、前任のマーク・ウエダ委員長代理は、4月21日にSEC職員向けの声明「SEC職員の皆様へ:アトキンス委員長への感謝と歓迎(Note to SEC Staff: Thank You and Welcome Chairman Atkins)」を発表。自身が体制移行期の代理委員長を務めたことについて「名誉であった」と述べ、新委員長への信頼を表明した。

ウエダ氏が委員長代理として活動した期間に、SECは規制体制の見直し・整備を行う「暗号資産タスクフォース」を1月21日に結成した。 このタスクフォースはパース委員が率いており、業界におけるプロダクトやサービス提供を可能とするための規制整備に取り組んでいる。

このタスクフォース設立以降、SECは複数の暗号資産関連企業に対する調査の終了や訴訟解決に向けた動きを見せており、2022年3月に発表された指針「職員会計公報121号(SAB 121)」も、2025年1月23日付で正式に撤回された。このガイドラインの撤回により、金融機関は従来の会計基準に従い、暗号資産のカストディ業務を遂行できるようになった。

参考:ウエダ氏声明
画像:iStock/ablokhin

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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