Startale Group、「Soneium」のシーケンサー収益を「ASTR」へ再投資

Startale Groupが「Soneium」のシーケンサー収益を「ASTR」へ再投資

Startale Group(スターテイルグループ)が、同社が共同開発したEthereum(イーサリアム)レイヤー2ブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」のシーケンサー運用によって得られる収益の一部を活用し、「アスター(ASTR)」トークンへの再投資を開始したと4月3日発表した。

Startale Groupによるとこの取り組みは、一時的なトークンの買戻し(Buyback)や短期的な市場シグナルではなく、「Soneium」エコシステム立ち上げを支えてきた「Astar Network(アスターネットワーク)」への長期的かつ継続的なコミットメントとのこと。なおStartale Groupは「Astar Network」の開発元でもある。

シーケンサーとは、レイヤー2ソリューションにおいて、レイヤー1に書き込む前の段階で、トランザクション(取引)を収集し、順番を決めて処理する役割を持つコンポーネントだ。「Soneium」のシーケンサーは、同チェーンの開発元で、Startale GroupとSony Group(ソニーグループ)の合弁会社であるSony Block Solutions Labs(ソニーブロックソーリューションズラボ:SBSL)によって運用されている。

シーケンサーは、決済実行に至るまでの検証等の過程で、L2利用者からトランザクション手数料(ガス代)を受け取る。その手数料は、L1へのデータ送信に必要となるガス代や決済処理に必要なスマートコントラクトの実行コストなどが差し引かれ、残った手数料が収益としてインフラ運用者に分配される。つまりネットワークの利用が拡大すればするほど、シーケンサーによって発生する手数料収入も増えるという仕組みだ。なお、その収益はStartale Groupにも分配されている。

Startale Groupが得たシーケンサー収益の一部を「ASTR」へ再投資をする取り組みは、同社が所有・運用する「Soneium」から生まれた収益が、「Astar Network」のトークンエコノミーをさらに強化する形で循環させるとのこと。

これは、「Soneium」上でのdApp(分散型アプリケーション)構築やNFT発行により取引が増加することで、シーケンサー収益と「ASTR」への投資はより多く行われることになるからだ。

Startale Groupは今回の取り組みにより、「Astar Network」と「Soneium」のネットワーク基盤は着実に強化され、両者のエコシステム価値は高まると説明している。 

参考:Startale GroupGrowThePie
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した