イーサリアム「Pectra」、メインネット実装は暫定的に4/30予定

Pectraのメインネット実装は暫定的に4/30に

イーサリアム(Ethereum)の大型アップグレード「ペクトラ(Pectra)」のメインネット実装予定日が、暫定的に4月30日に設定された。このことは3月27日に行われた開発者ミーティング「Ethereum All Core Developers(ACD)コール」の「Execution Layer Meeting 208」にて決定された。

イーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)のコア開発者ティム・ベイコ(Tim Beiko)氏の報告によるとメインネット実装は、エポック362496、スロット11599872となる4月30日14:14:47(UTC)に予定されている。

なおエポックとは、イーサリアムで用いられる時間単位のこと。またスロットは12秒ごとに区切られた時間単位のこと。32個のスロットを1つの区切りとする単位をエポックと呼ぶ。各スロットごとにブロックを提案する単一のバリデータが選ばれ、ブロックを1つ生成する。

「ペクトラ」は3月26日、新たなテストネット「フーディ(Hoodi)」で実装された。

「ペクトラ」のメインネット実装は、テストネット「ホルスキー(Holesky)」および「セポリア(Sepolia)」での実装を経て実施される予定であった。しかし両テストネットでの実装時に発生した問題を受け、「フーディー」が新たに立ち上げられた。

「ペクトラ」の主なアップグレードとして「EIP-7702」と「EIP-7251」の2つの実装がある。

「EIP-7702」は、イーサリアムの共同創業者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が提案したウォレットのユーザー体験を向上させるアップグレードだ。これにより通常のアカウントとして利用されているEOA(外部所有アカウント)を、一時的にスマートコントラクトとして扱える仕組みを導入し、既存のスマートコントラクトに追加の実装を行わずにEOAに様々な機能を導入可能になる。

「EIP-7251」は、バリデーターがステークできる最大量を32ETHから2,048ETHに増加させるというものだ。これにより32ETHよりも大きな額をステーキングしたいユーザーが、これまでのように複数のノードに分割せず、1つのノードで行えるようになる。そのため、新しいノードの構成をする必要があり、数週間の待ち時間が必要とされることもあったステーキングの開始がよりスムーズに行えるようになると予想されている。 

画像:Ethereum

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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