リップル社が「Ripple Custody」の商標申請、サービス範囲を拡大か

Ripple社が「Ripple Custody」の商標申請

米リップル(Ripple)社が、機関投資家向けデジタル資産保管(カストディ)ソリューション「リップルカストディ(Ripple Custody)」における商標を、今年2月25日に申請していたことが各社報道によって明らかとなった。

米国特許商標庁(USPTO)のデータによると、今回の登録申請では以下の4つの項目が「リップルカストディ」の内容として記載されている。

・財務管理目的のために暗号資産、法定通貨、仮想通貨、デジタル通貨の保管および所有を維持する保管サービスである「金融サービス」
・暗号資産、法定通貨、仮想通貨、デジタル通貨の保管に関する「ダウンロード可能なソフトウェア」
・暗号資産の保管目的のために電子通信ネットワークを介して財務データを電子的に送信する「P2Pネットワークコンピューターサービス」
・暗号資産、法定通貨、仮想通貨、デジタル通貨の保管、送信、管理に使用するためのソフトウェアを提供するクラウドベースの「SaaS」

なお、この中で2つ目の「ダウンロード可能なソフトウェア」の記載は、「リップルカストディ」として暗号資産ウォレットの提供を想定しているのではないかと報道もされている。また暗号資産ウォレットの提供により、リップル社が取引手数料の徴収を通じて新たな収入源を確保する可能性が指摘されている。

リップル社は、2023年5月にスイスのデジタル資産カストディ企業メタコ(METACO)を、2024年6月には米ニューヨーク拠点の機関投資家向けデジタル資産カストディプラットフォームを提供するスタンダード・カストディ・アンド・トラスト(Standard Custody & Trust Company)を買収している。

「リップルカストディ」は2024年10月に提供開始されており、今回の商標申請はこの事業展開の一環とみられる。

なお「リップルカストディ」は、銀行グレードのインフラを活用し、24時間365日対応のデジタル資産の転送および決済、RWA(Real World Assets:現実資産)のトークン化と管理、秘密鍵の管理(MPCおよびHSM対応)などの機能を備えている。

また「リップルカストディ」は、リップル社が提供する暗号資産活用の国際送金ソリューション「リップルペイメント(Ripple Payments)」と統合されている。

これにより機関投資家は、リップル社独自の米ドル建てステーブルコイン「リップルUSD(RLUSD)」を活用したオンランプおよびオフランプを提供できるとのことだ。

なお「オンランプ」とは法定通貨から暗号資産へ交換することである。反対に「オフランプ」とは暗号資産から法定通貨へ交換することを指す。

参考:商標申請書リップル
画像:iStock/ivanmollov

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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