Solanaクライアント開発のAnza、2025年は「100万TPS」目指す

「Anza」が2025年の目標を発表

ソラナ(Solana)のノードクライアントソフトウェアである「Agave(アガヴェ)」を開発するAnza(アンザ)が、2025年の目標を3月3日に発表した。

Anzaによると、「Agave」は過去1年間でも大きな進歩をしており、これまでに比べてすでに大きな改善が行われているとのこと。現在「Agave」はv2.1バージョンを公開しており、リーダーノードの遅延などの影響でスロットがスキップされてしまう確率である「スキップ率」を0.5パーセントにまで抑えることに成功している。またブロックを生成するまでの時間であるスロットタイムも大きく短縮しており、TPS(秒間トランザクション数)は4,000を超えている。

しかし2025年の目標としても、さらに高いスループットを達成するための目標が設定されており、最終的には100万TPSを目指しているとのことだ。

ブログではAnzaが2025年に取り組む重要な分野として、「TPUスケジューラの最適化」、「Turbine(タービン)帯域幅のスケーリング」、「ステータスキャッシュの改善」、「ブロックストア挿入の機能強化」、「より高速なハッシュアルゴリズム」の5つが紹介されている。

「TPUスケジューラの最適化」は、メモリの使用方法を見直し、不要なデータのやり取りを削減する対応だ。これによりトランザクションをより効率的に処理できるようにする。

「Turbine帯域幅のスケーリング」は、生成されたブロックを隣接するノードに配信し検証することでネットワーク全体にデータを共有する「ブロックの伝搬」を行うプロトコルであるTurbine(タービン)を効率化する。余分なデータの複製などを削減することでトランザクションの確認を高速化するという。

「ステータスキャッシュの改善」では、ブロックハッシュおよびスロットへの並列アクセスを強化し、より効率的なキャッシュ管理方法を導入する。これによりトランザクションの処理および確認が高速化される。

「ブロックストア挿入の機能強化」は、取引記録の保存方法を改善する対応だ。特に「シュレッドインデックス」と呼ばれる小さなデータの記録形式を効率的なものに変更する。これによりデータの書き込みだけでなく読み取りも高速化するとのことだ。

そして「より高速なハッシュアルゴリズム」では、現在採用しているハッシュアルゴリズムより高速なアルゴリズムである「ahash」を採用する。これにより同じ時間でより多くのトランザクションを処理可能になるという。

2025年は、「Agave」を「Solanaメインネットで最高のクライアントにする」というビジョンに沿って、主にこれらの分野に取り組んでいくとのことだ。

なおソラナコミュニティでは現在、SOLトークンに動的な市場主導型のインフレモデルを導入するガバナンス提案である「Solana Improvement Document(SIMD)-0228」について議論が行われており、近々投票が行われる予定だ。

参考:Anzaブログ
画像:iStocks/metamorworks

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【4/23話題】キャンターがSBやテザーらとビットコイン投資会社を設立か、トランプ大統領のメディア企業がETFを年内ローンチへなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

シンガポール証券取引所、「ビットコイン無期限先物」を今年後半に提供へ=報道

シンガポール最大の取引所グループであるシンガポール証券取引所(SGX)が、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を対象としたパーペチュアル(無期限先物)型のデリバティブ取引を今年の後半にも提供するようだ。メディア「ザ・ビジネス・タイムズ(The Business Times)」が4月21日に報じた

Charles Schwab、「ビットコイン現物取引」を26年4月に開始へ=報道

米大手金融サービス企業チャールズシュワブ(Charles Schwab)CEOリック・ワースター(Rick Wurster)氏が、2026年4月中旬までに暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の現物取引を、同社プラットフォーム上で提供開始する計画を明らかにした。米金融メディア「リアビズ(​RIABiz)」が4月19日に報じた

米大手金融キャンター、ソフトバンクやテザーらと30億ドル規模のビットコイン投資会社を設立か=報道

米金融大手キャンター・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)が、ソフトバンク(SoftBank)、テザー(Tether)、ビットフィネックス(Bitfinex)と提携し、ビットコインの投資会社を新たに設立する計画を進めていると「英フィナンシャルタイムズ(Financial Times)FT」が関係者からの情報として4月23日に報じた

トランプ大統領のメディア企業、Crypto[.]comらと正式提携でETFを年内ローンチへ

トランプメディア&テクノロジーグループ(Trump Media and Technology Group Corp:TMTG/Nasdaq: DJT)が、上場投資信託(ETF)および上場投資商品(ETP)の立ち上げに向け、海外暗号資産(仮想通貨)取引所クリプトドットコム(Crypto.com)および米資産運用会社ヨークビルアメリカデジタル(Yorkville America Digital)との間で拘束力のある契約を締結したと4月22日に発表した

【4/22話題】ストラテジーが約5.5億ドルでビットコイン追加購入、イーサリアム財団が研究開発の優先順位を見直しなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored