金融庁らが、新たなブロックチェーン国際ネットワーク「BGIN」の設立を発表

金融庁らが、新たなブロックチェーン国際ネットワーク「BGIN」の設立を発表

3月10日18時から開催されたBlockchain Global Governance Conference (BG2C)の特別オンラインパネル討論で、アメリカジョージタウン大学の松尾真一郎教授より、ブロックチェーンに関する新しい国際的なネットワークである「Blockchain Governance Initiative Network(BGIN)」の設立が発表された。

「BGIN」設立の目的は、ブロックチェーンコミュニティの持続的な発展のため、すべてのステークホルダーの共通理解の醸成や直面する課題解決に向けた協力を行うためのオープンかつ中立的な場を提供すること。

当面の活動目標は、オープンかつグローバルで中立的なマルチステークホルダー間の対話形成、各ステークホルダーの多様な視点を踏まえた共通な言語と理解の醸成、オープンソース型のアプローチに基づいた信頼できる文書とコードの不断の策定を通じた学術的基盤の構築とのことだ。

ジョージタウン大学の松尾氏は「BGINを通して、共通のオペレーショナルドキュメントを精査し、セキュアなエコシステムを築いていかなければならない」とコメントしている。これまでのブロックチェーンの課題は、コミュニティがドキュメンテーションに注力しておらず、サードパーティーの監査や理解を得難い状況だったとのことだ。

編集部のコメント

特別オンラインパネル討論では、分散型金融におけるガバナンスについて深く議論がされていました。そこで、金融庁長官の遠藤俊英氏は、分散型金融のガバナンスについて、なぜいま議論するべき必要があるのかを語っていました。まず金融庁が存在する大きな理由の1つに、金融危機を事前に予防することがあります。

インターネットのときも、ブロックチェーンで様々な規制の議論がされているように、新たな規制の枠組みをリスクの観点から作ってきていました。そして、ブロックチェーンにおいては、ICOやSTOに関して、規制の枠組みを整えてこれたとのことですが、分散型金融においては、未だ整えられていないから深く議論し、規制に落とし込む必要があるとのことです。

ただ、分散型金融の場合は新たな規制の作り方をしなければなりません。なぜなら、ネットワークの仲介者が存在しないからです。これまでは、仲介者に対して規制を行ってきたが、分散型金融のようなピアツーピアの通信や取引が行われる場合、新たな規制の枠組みを作らなければならないと、あたらしい経済編集部は考えます。

それは、遠藤氏の言葉を借りると、マルチラテラルな規制の生み出し方です。トップダウンではなく、コミュニティドリブンで規制当局がコミュニケーションを取り、あらたな規制を生み出すのだと、考えられます。

BGIN創設メンバー(名字のアルファベット順)

BGIN創設メンバー(名字のアルファベット順)】
ジュリアン・ブリンガー カリスティック CEO
ブラッド・カー 国際金融協会(IIF)シニアディレクター
ミシェル・フィンク 独マックス・プランク・イノベーション研究所 シニア研究フェロー
ホアキン・ガルシアアルファロ 仏Institut Mines-Télécom 教授
バイロン・ギブソン 米スタンフォード・ブロックチェーン研究センター プログラム・マネジャー
李 慧 フォビ・ブロックチェン・アカデミー ディレクター
フィリップ・マーティン コインベース 最高情報セキュリティ責任者
松尾 真一郎 米ジョージタウン大学 研究教授
三輪 純平 金融庁 フィンテック室長
カタリーナ・ピスター 米コロンビア大ロースクール 教授
ニー・ナルク・クエイノア ガーナ・ドット・コム 会長
ジェレミー・ルービン Bitcoin Core開発者
ダニー・ライアン イーサリアム財団 コア研究者
デービッド・リプリー クラーケン 最高執行責任者
崎村 夏彦 OpenID Foundation 理事長
佐古 和恵 Sovrin Foundation 理事
マイ・サンタマリーア アイルランド財務省 ファイナンシャルアドバイザリー部門長
須賀 祐治 株式会社インターネットイニシアティブ / CGTF シニアエンジニア
鈴木 茂哉 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
高梨 佑太 金融庁 総合政策局総務課国際室課長補佐
ロバート・ワードロップ 英ケンブリッジ大学オルタナティブ金融センター ディレクター
ピンダー・ウォン VeriFi (Hong Kong) 会長
アーロン・ライト 米イェシーバー大学カルドゾ・ロースクール 教授

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

(images:liuzishan)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【10/26の話題】マスターカードとバックトがCaaS提供へ、ビットポイントがジャスミーとポルカドット上場など(音声ニュース)

マスターカードとバックト、銀行や企業に暗号資産サービス導入の「CaaS(Crypto-as-a-Service)」提供へ、約4兆円運用の韓国公的基金、来年からビットコインETFへ投資を計画か、【取材】ビットポイント、ジャスミー(JMY)を国内初上場、ポルカドット(DOT)も、1921点の重要文化財をNFT化へ、奈良県博物館「唐古・鍵 考古学ミュージアム」、福岡県遠賀町と福岡市南区でブロックチェーン活用プレミアム付商品券発行へ、博報堂や電通らの「JCBI」、消費者がNFTが正規なものか判断できる、ウォレットとコントラクトのアドレス認定事業開始、バイナンスNFT、競馬ゲーム「DeRace」のイニシャルゲームオファリング(IGO)実施へ、ナイジェリア、中銀デジタル通貨「eナイラ」ローンチ、中国大手eコマース「JD. COM」、記念NFTを初リリース

マスターカードとバックト、銀行や企業に暗号資産サービス導入の「CaaS(Crypto-as-a-Service)」提供へ

マスターカード(Mastercard)が、バックト(Bakkt)と提携し、銀行や加盟企業向けに、暗号資産関連サービスを導入できるソリューション(CaaS:Crypto-as-a-Service)を提供していくことが10月25日に発表された。バックトは米インターコンチネンタル取引所(ICE)の子会社であるデジタル資産サービス企業で、今月18日にティッカーシンボル「BKKT」でニューヨーク証券取引所に上場したばかりだ。

博報堂や電通らの「JCBI」、消費者がNFTが正規なものか判断できる、ウォレットとコントラクトのアドレス認定事業開始

「Japan Contents Blockchain Initiative(ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ:JCBI)が一般社団法人化したことと、コンテンツ企業向けのウォレットアドレスとコントラクトアドレスの認定事業を開始したことを10月26日発表した