テゾスら、トークン化ウランのマーケットプレイス立ち上げ

テゾスらがトークン化ウランのマーケットプレイス立ち上げ

キプロス拠点のウラン取引会社カーゾンウラン(Curzon Uranium)とレイヤー1ブロックチェーンのテゾス(Tezos)、そして英規制下でRWA(現実資産)や暗号資産(仮想通貨)の取引所およびカストディサービス等を提供するアーチャックス(Archax)が、トークン化されたウランを購入できるマーケットプレイス「uranium.io」を個人投資家向けに11月3日立ち上げた。

この取り組みは、ニッチな商品であるウランの現物流動性向上を目的としている。

ウランは、鉱山業者が生産を削減したことと、電力会社が原子力発電を支えるために新たなウラン供給を求めたことから、ここ数年で投資家の関心が急増し、価格も急騰している。

また人工知能(AI)データセンターの電力需要の急増も、原子力発電所への新たな関心を呼び起こしている。

これまで個人投資家は、鉱山会社やウランの在庫を保有するファンドの株式を購入することで、ウランへの投資ができた。

しかし今回の取り組みで、ウランはテゾス上でトークン化され、実物は施設で保管されることになる。このトークンは元となる資産を表すものとなる。そのため、今後は物理的なウランを間接的に小口で購入可能になる。

「これはウランの民主化であり、誰もが購入できる」と、カーゾンウランの創設者ニック・クラーク(Nick Clarke)氏は述べた。

投資家に小ロットで販売される金やプラチナとは異なり、ウラン酸化物やイエローケーキ(ウラン精鉱)を購入するための最小単位は5万ポンドで、その価格は400万ドルを超える。

「uranium.io」は、テゾスの技術が使用されており、ウランの供給はカーゾンウランが担当している。そして物理的なウランは、カナダの生産者カメコ(Cameco)が所有する施設に保管される。

個人投資家は、スプロット(Sprott)やイエローケーキ(Yellowcake)などが提供する投資信託や株式を通じて物理的なウランに投資できるが、これらの商品は株式市場で取引されるため、ウランの価格から乖離する可能性がある。

ウランは、主要生産者であるカザトムプロム(Kazatomprom)やカメコが生産指針を下方修正したことから、現物価格が10ヶ月で2倍に上昇し、1月には1ポンドあたり106ドルのピークに達し投資家の注目を集めた。しかし価格はその後、77ドルに下落している。

原子力エネルギーは、各国が温室効果ガス排出削減を目指す中で注目を集めており、今年に入ってからはグーグル(Google)、アマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft)などがAIデータセンター向けに原子力発電所からの電力調達契約を結ぶなどの動きがある。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Firms launch physical uranium buying for small investors using blockchain
(Reporting by Eric Onstad; Editing by Mark Potter)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:iStock/noLimit46

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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