アービトラム、AI開発支援で1Mドル助成金プログラム始動

Arbitrumで約1.5億円の助成金プログラム始動

アービトラム財団(Arbitrum Foundation)が、AIイノベーションの加速を目的とした助成金プログラム「トレイルブレイザー・AI・補助金プログラム(Trailblazer AI Grant Program)」を立ち上げた。アービトラム公式ブログより11月28日発表された。

この助成金プログラムは、レイヤー2ネットワークであるアービトラム上のAIエージェントやオンチェーンAI製品を開発するビルダーを支援するためのプログラムとのこと。

このプログラムでは、総額100万ドル(約1.5億円)の助成金が用意されており、1つのプロジェクトに対して最大10,000ドル(約150万円)が提供される予定だ。対象となるのは、既にアービトラムと統合されたAIエージェントを開発しているビルダーとのこと。選考基準には、革新性、影響力、独自性、採用可能性、そしてアービトラムの使命との整合性が含まれている。

そして同プログラムの参加者には、金銭的支援に加え、業界専門家からの指導やアービトラムコミュニティとのネットワーキング機会も提供されるという。さらに参加プロジェクトは、世界中から認知度を高める機会も得られるとのこと。

アービトラムは、低遅延・高スループット・低手数料という特徴を持ち、AI開発者にとって理想的なオンチェーン統合プラットフォームとされているという。発表によると、既にアローラ・ネットワーク(Allora Network)やARCエージェント(ARC Agents)、エターナルAI(Eternal AI)、ハイパーボリック(Hyperbolic)、オラ(Ora)といったAI活用プロジェクトがアービトラムを活用しているとのこと。

プログラムの募集対象プロジェクトとしては、アービトラム向けのプログラミング環境「スタイラス(Stylus)」のRustコントラクトを活用してアートを生成するエージェントや、複雑なDeFi戦略を計画するエージェント、DAOやゲームコミュニティへの参加を支援するエージェントなど、「アービトラム」の分散型インフラを活用したAIエージェントやアプリケーションが挙げられている。

アービトラムとは

アービトラムはイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション。同ネットワークでは、「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用することでイーサリアムの安全性を保ちつつオフチェーンでの高速処理を実現している。

なおアービトラムでは、「アービトラムワン(Arbitrum One)」および「アービトラムノヴァ(Arbitrum Nova)」の2つのネットワークを展開している。

「アービトラムワン」はアービトラムのパブリックなメインネットであり、誰でもバリデーターになれる仕組みとなっている。一方で「アービトラムノヴァ」は選定されたバリデーターのみが参加する許可型のメインネットとなっており、厳密な分散性を達成することはできないが、その分低い手数料での利用を可能にしている。

そのような特性から「アービトラムワン」はDeFi(分散型金融)及びNFT向けチェーン、「アービトラムノヴァ」はゲーム及びソーシャルアプリに特化したチェーンとして取り扱われるケースが多い。

参考:アービトラム
画像:iStock/LeoTroyanski

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
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