暗号資産マイニングRiot Platforms、買収ターゲットのBitfarmsを「ポイズン・ピル」問題で攻撃

買収計画は泥沼化か

ビットコインマイニング企業のライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)は、ビットコインマイニング業者による買収を阻止するために「ポイズン・ピル(毒薬)」を採用しようとするビットファーム(Bitfarms)社の動きは「株主にとって不親切」であり、コーポレート・ガバナンスの基準がしっかりしていないことを浮き彫りにしたと指摘している。

ライオット・プラットフォームズは6月12日、競合のビットファーム社に対し、会長兼暫定CEOのニコラス・ボンタ(Nicolas Bonta)氏を解任し、少なくとも2人の独立取締役を新たに加えるよう非公式に要請したと述べた。

この争いは、ライオット・プラットフォームズが4月にビットファーム社を約9億5000万ドルで買収するという非公開オファーを出したことに起因している。ビットファーム社は、このオファーが同社を著しく過小評価しているとして拒否し、敵対的買収の試みを防ぐための「ポイズン・ピル・プラン」を承認した。

この計画は、6月20日から9月10日までに、ある企業が15%以上の株式を取得した場合、ビットファーム社は他の株主に新株を発行し、その企業の株式を希釈化するというものだ。

15%という設定基準は、「確立された法的基準やガバナンス基準に真っ向から抵触する」とライオット・プラットフォームズは12日にコメント。

「私たちは、ビットファームの深刻なコーポレート・ガバナンスの問題に対処し、株主が会社の進むべき道について発言できるよう、引き続き働きかけていく」と同社のジェイソン・レス(Jason Les)CEOは述べている。

ビットファーム社は12日の遅く、ライオット・プラットフォームズの利益が株主の利益と一致していないことは明らかだとコメント。

ビットファーム社は声明で、ライオット・プラットフォームズは戦略的代替案の検討プロセスを混乱させ、「低額入札」を押し通すために、取締役会とコーポレート・ガバナンスを「攻撃」していると述べている。

これとは別に、ライオット・プラットフォームズは規制当局への提出書類で、ビットファーム社への出資比率を今月初めの12%から13.1%に引き上げたことを明らかにした。LSEGのデータによると、同社はビットファーム社の筆頭株主だ。

ビットコイン現物ETF(上場投資信託)が承認されたことで、暗号資産業界には楽観的な見方が広がっているにもかかわらず、ライオット・プラットフォームズとビットファーム社の株価は今年に入り、それぞれ35%、19%下落している。

関連ニュース

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Bitcoin miner Riot Platforms attacks takeover target Bitfarms over poison pill
Reporting by Niket Nishant in Bengaluru, additional reporting by Angela Christy; Editing by Mohammed Safi Shamsi and Subhranshu Sahu

翻訳:髙橋知里(あたらしい経済)
images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【5/22話題】ビットコインが11万ドル突破で史上最高値、テキサス州のBTC準備金設立法案が下院可決など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米SECが21SharesのXRP・GrayscaleのDEGEとXRP現物ETFの審査手続き開始、Bitwiseのステーキング対応ETH現物ETFは審査延期

米証券取引委員会(SEC)が、21シェアーズ(21Shares)とグレースケール(Grayscale)が運用を計画する暗号資産(仮想通貨)現物ETF(上場投資信託)について、上場申請の承認可否を判断するための正式な審査手続きを5月20日に開始した。SECが同日付で文書を発行している

サム・アルトマンのワールド、a16zとBain Capitalに「WLD」売却で135Mドル調達

暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールド(World)」を支援するワールド財団(World Foundation)の子会社であるワールドアセッツ(World Assets)が、同プロジェクトの初期支援者であるa16z(アンドリーセンホロウィッツ)およびベインキャピタルクリプト(Bain Capital Crypto)から1億3,500万ドルを調達したことを5月21日に発表した