仮想通貨取引所Geminiがキャプティブ保険会社「ナカモト」を設立

仮想通貨取引所Geminiがキャプティブ保険会社「ナカモト」を設立

仮想通貨取引所Geminiがキャプティブ保険会社「ナカモト」を設立したことが、明らかになった。保険会社運営のライセンスを付与したのは、バミューダ島の金融当局だ。

キャプティブ保険会社とは、親会社またはそのグループの保険ニーズを達成するために作られる保険子会社のこと ・キャプティブ保険会社設立により、Gemini Custodyに2億ドルの保険が適用される。これは、世界の仮想通貨管理者が購入する保険の上限となっている。

Geminiのリスク部門責任者であるYusuf Hussain(ユスフ・フセイン)氏は「現在、仮想通貨業界には、従来の金融市場で利用できるものと同様の保険がありません。Geminiはこのギャップを認識し、これを解決するために世界最大の保険ブローカーであるAonとMarshの2社と協力して、保険会社を設立しました」とコメント。

そして、Gemini CEOであるCameron Winklevoss(キャメロン・ウィンクルボス)氏は、「保険の適用は、仮想通貨をマスアダプションするために乗り越えなければならない大きな壁の1つです。Geminiは、これに対処するためにキャプティブ保険会社を設立しました。仮想通貨業界で有意義な保険を取得することは依然として課題であり、私たちの保険会社によって、保険容量を増やし、業界を前進させるのに役立つでしょう」とコメント。

編集部のコメント

Geminiのセキュリティレベルを整理します。Geminiのサイトによると、GeminiのコールドウォレットはFIPS 140-2 Level 3。つまり、マルチシグニチャデジタル署名方式(multisig)を使用して、単一障害点を排除し、個々の秘密キーの損失または侵害に対する回復力を向上させられて、すべてのHSMは地理的に分散され、監視され、アクセス制御された施設に保管されています。そして、HSMを運用するには、複数の従業員のコンセンサスを持って、運用する必要があります。

続いて、Geminiのホットウォレットについてです。ホットウォレットは、Amazon Web Services(AWS)でホストされています。 ホットウォレットは、階層化されたロールベースアクセス(RBAC)を本番環境に適用していて、最低限の原則に従って、アクセスできる人を制御しています。 そして、すべてのホットウォレットのプライベートキーもAWS CloudHSMサービスで管理されます。このサービスは、FIPS 140-2レベル2の評価を達成したAWSクラウド内の専用HSMを提供されています。Gemini Custodyは、ニューヨーク州銀行法に基づいて、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から認可を受けています。

今回、キャプティブ保険会社を設立し、保険適用額を2億ドルに引き上げたことは、非常に大きな功績だと思います。昨日のAnchorageのニュースも、仮想通貨取引、保険を一気通貫出来る発表でしたが、Geminiも同様の動きです。ユーザーにとって、取引と保険がシームレスに行えることは大きなメリットで、従来の金融機関だと成し得なかったことだと考えます。

(images:antoniokhr,MimaCZ)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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