テザー社がBCI企業Blackrock Neurotechに2億ドル投資、大株主に

2億ドルの戦略的投資

米ドルステーブルコイン「USDT」発行のテザー(Tether)社が、ブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)提供のブラックロック・ニューロテック(Blackrock Neurotech)社の過半数株式取得のため、2億ドルの戦略的投資を行ったと4月29日発表した。

この投資により、テザー社はブラックロック・ニューロテック社の大株主になった。

ブラックロック・ニューロテック社は2008年にユタ大学内で設立されたテクノロジー企業だ。麻痺、機能喪失、神経障害に苦しむ人々を救う革新的なBCI技術を提供しているという。

なおBCIとは、脳とコンピューターを直接接続し、筋肉などの動きを介さずに考えるだけでマウスやキーボード等の機械を動かすインターフェイスのこと。例えば同技術によりユーザーはロボットアームや車いすの操作、メッセージ送信やネットサーフィン、自動車の運転までできるという。

今回投資された2億ドルは、主にブラックロック・ニューロテック社の医療ソリューションの商業化と普及や研究開発に充てられるとのことだ。

テザー社のCEOであるパオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)氏は、「テザー社は、革新的な能力を持つ新興技術を育成することを長年信じてきた」とし、「ブラックロック・ニューロテック社のブレイン・コンピュータ・インターフェイスは、コミュニケーション、リハビリテーション、認知機能強化の新たな領域を切り開く可能性を秘めている」とコメントしている。

テザー社は4月、デジタル資産分野での更なる事業拡大に向け、同社の事業部門を組織再編することを発表。

再編された事業部門は、テクノロジー部門「テザーデータ(Tether Data)」、デジタルアセットサービス部門「テザーファイナンス(Tether Finance)」、ビットコイン(BTC)マイニング及びエネルギー部門「テザーパワー(Tether Power)」、デジタル教育及び進歩変革部門「テザーエデュ(Tether Edu)」であった。

さらにテザー社は新たに「テザーエヴォ(Tether Evo)」を立ち上げている。同部門は、イノベーションと人間の可能性の接点に立ち、テクノロジーと人間の能力がかつてない方法で融合する未来へ人類を導くことに注力しているとのことだ。

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参考:テザー社
images:iStocks/Abscent84

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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