テザー社、「SOC2 タイプ1」のセキュリティ監査完了を報告

顧客資産とデータ管理を保証

「USDT」等のステーブルコイン発行元のテザー(Tether)社が、組織が示すことのできる最高レベルのセキュリティ・コンプライアンスを達成するため、「SOC(System Organization Control)2 監査タイプ1」を受けたと4月1日発表した。

テザー社によれば「SOC2 タイプ1」監査試験は、米国公認会計士協会(AICPA)によって制定されたセキュリティ・コンプライアンスのゴールド・スタンダード(最高水準)だという。

テザー社のCEOであるパオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)氏は、「このコンプライアンス対策は、データ保護と情報セキュリティの最高基準を満たす環境で、顧客の資産とデータが管理されていることを保証するものである。この独立したセキュリティ管理の検証は、テザー社にとって不可欠なものであり、世界で最も信頼され、コンプライアンスに準拠したステーブルコインになるという当社のコミットメントを示すものだ」と述べている。

同社はまた、同社の運営とセキュリティ慣行が一貫した高水準で運用されていることを保証するために毎年SOC 2のテストを受けることを公約した。

テザー社は2025年までに、12 か月間にわたるテザー社の内部統制の運用の有効性を評価する「SOC2 タイプ 2 」の認証取得を目指すとのことだ。

テザー社発行の「USDT」は3月4日、発行量が1,000億ドル(約15.4兆円)を超えた。

なお「USDT」は、全暗号資産の時価総額でBTC、ETHに続き3位となっている。ステーブルコインではトップの時価総額を誇っている。

なお「USDT」の発行・流通にあたりテザー社は、現金および現金同等物で準備金を保有している。

またテザー社はステーブルコインのみならず、ビットコイン関連事業にも乗り出している。

同社は昨年5月、利益の一部をBTC投資に充てることを発表。先月3月31日には約8,888BTCを追加購入。これによりテザー社のBTC総保有数は、75,354.08889867BTCとなった。

なお記事執筆時点(4月2日14:00)でその価格は約50.3億ドル(約7,634億円)である。

また昨年11月にテザー社は、同社がビットコイン(BTC)のマイニング事業に関して、半年間で約5億ドル(約752.6億円)の投資を計画しているとの報道が出た。

アルドイノ氏によれば、同投資は自社の採掘施設の建設と他社の株式取得の両方を通じて行われるとのことであった。テザー社の今後の目標として、ビットコインマイニングの総コンピューティング能力に占める同社のシェアを1%に拡大することが掲げられていた。

関連ニュース

参考:テザー社
images:iStocks/your_photo

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/2話題】ビットコインが下落、米検察がブロック捜査、レイヤーゼロがスナショなど

ビットコインが6%近く下落、FOMC控え 最高値から22%安、米連邦検察、米決済ブロックの社内業務を調査=報道、レイヤーゼロがスナップショット実施、エアドロ間近か、テザー社、Q1が過去最高益45億ドル超に、純資産額も初公表、米セキュリタイズがブラックロックらから4700万ドル調達。サークル、アプトスラボ、パクソスも参加、HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で、「スイ(SUI)」のミステンラボ、グーグルクラウドと提携、親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難、ストライプで「AVAX」の購入が可能に、アバランチとコアウォレットに統合で、ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に、イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応、クリプトヴィレッジのLocal DAO、旧山古志に続き「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を選定。「Nishikigoi NFT」保有者の投票で決定へ

ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に

「ユニスワップ(Uniswap)」のモバイルアプリ「ユニスワップウォレット(Uniswap Wallet)」にオンランプ機能「ロビンフッドコネクト(Robinhood Connect)」が統合され、同アプリではロビンフッド内の資金で暗号資産(仮想通貨)の購入が可能となった。このことはユニスワップが4月29日発表した