SBI VCトレードが「TRUST」導入、ビットフライヤーとコインチェックへ出庫可能に。逆に両取引所から入庫できる時期未定

SBI VCトレードが「TRUST」導入

国内暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレードが、現在利用しているトラベルルールソリューション「Sygna Hub」に加え、新たに「TRUST」を導入することを4月11日正式発表した。24日より導入するとのこと。

SBI VCトレードが新たに「TRUST」を導入することで、これまで国内業者間で採用するトラベルルール対応ソリューションの違いから、直接の暗号資産入出庫が行えなかった「TRUST」導入業者との送付、受け取りを可能とする仕組みを同取引所で構築するとのこと。

発表によると、SBI VCトレードから「TRUST」導入業者であるビットフライヤーおよびコインチェックへの出庫については、導入日より可能になるとのこと。

ただしSBI VCトレードへの両取引所からの入庫については、現時点で実施可能時期は未定とのことだ。

発表では入庫時期が未定の理由について説明されていない。 「各社のトラベルルール対応につきましては、ご利用の各業者にお問い合わせください」とSBI VCトレードは発表でコメントしている

※2024.4.11 16:15追記

なお今回の発表と同日に、SBI VCトレードと同じくSBIグループの暗号資産取引所ビットポイントが、SBI VCトレードと同条件での「TRUST」導入を発表している。

トラベルルールについて

「トラベルルール」とは、「利用者の依頼を受けて暗号資産の送付を行う暗号資産交換業者は、送付依頼人と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の暗号資産交換業者に通知しなければならない」というルール。このルールは、FATF(金融活動作業部会)が、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策についての国際基準(FATF基準)において、各国の規制当局に対して導入を求めていたもので、日本においては昨年6月に開始した。

これにより国内の各暗号資産取引所は、トラベルルール対応ソリューションを利用して、暗号資産の移転関連情報の通知事項を出金先の暗号資産交換業者へ送付することになった。

しかし「異なる通知システムを採用している場合」は国内の取引所間であっても暗号資産の相互送金ができない状況が発生している。

これによりユーザーは、異なるトラベルルール対応ソリューションを利用する取引所へ暗号資産を移したい場合、一度メタマスク(Metamask)などのweb3ウォレットを介して送金を行う必要がある。

なお現在国内の暗号資産交換業者では「Sygna Hub」と「TRUST」、そして「グローバル・トラベル・ルール(Global Travel Rule:GTR)」の3つのトラベルルール対応ソリューションが利用されている状況だ。

「TRUST」についてはビットフライヤー、コインチェック、クリプトガレージが採用しており、「GTR」はバイナンスジャパン、「Sygna Hub」はその他の取引所となるSBI VCトレードやGMOコイン、ビットバンクなどが採用している。

つまりSBI VCトレードが「TRUST」を追加導入することで、ビットフライヤー、コインチェックといった多くのユーザーを抱える国内取引所との暗号資産の相互送金が可能になるため、SBI VCトレードはこれら取引所からユーザーを取り込むことも可能となる。

今回の発表でSBI VCトレードは「このたび、当社がSygnaとTRUSTの両ソリューションを導入し、国内の暗号資産交換業者間の入出庫をワンストップで繋ぐハブとしての役割を担うことで、AML/CFTの強化、お客さまの利便性の向上、ひいては暗号資産業界の発展に寄与するものと確信しております」と述べている。

ちなみに、「TRUST」導入による海外の暗号資産交換業者との接続については、接続テストが完了した業者について、都度アナウンスするとSBI VCトレードは伝えている。

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参考:SBI VCトレードビットポイント
images:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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