英国、今後半年以内に「ステーブルコインとステーキング関連の新規制」導入目指す=報道

英財務省経済長官が表明

英国財務省のビム・アフォラミ(Bim Afolami)財務省経済長官が、今年中にステーブルコインやその他の暗号資産(仮想通貨)のステーキングサービスを規制する新法案を導入する意向を示した。ブルームバーグが2月20日報じている。

アフォラミ長官は2月19日に英ロンドンで開催された大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベース(Coinbase)が主催する業界イベントにて講演。その中で、英政府が法制化を強く推進していると述べたという。

またアフォラミ長官は、今後6カ月の間に同法案を導入する姿勢を示したとのこと。

英財務省は昨年10月に提出した「ステーブルコイン規制の計画に関する最新情報報告書」の中で、同省が2024年に具体的な法案を議会に提出し、2025年までに法定通貨を裏付けとするステーブルコインの規制を英国の金融行為監督機構(FCA)の権限下に置く意向であることを示していた。

ステーブルコインの発行・保管は、金融サービス向けに設計された既存ルールの下で規制されることになるとのことであった。

また英国政府も昨年10月、暗号資産及びステーブルコイン規制に関する最終提案を発表している。

同提案では、英国で暗号資産活動を行う企業は今後、FCAの認可を受ける必要があるとした。

また、同提案では分散型金融(DeFi)の規制は行わないとしている。政府は、英国において現在DeFi(分散型金融)活動を規制するのは時期尚早だと判断したとのことだ。

アフォラミ長官は、ステーブルコインやステーキング以外の広範な暗号資産規制のスケジュールについては「手短に申し上げて、わからない」と回答。「膨大なことが起こっているので、今はそれについてお約束したくない」と述べている。

暗号資産を推進する英国

英国財務省は2022年4月初旬に、英国を世界的な暗号資産業界のハブにするための計画を発表。同国においてステーブルコインを決済手段として利用できるよう整備及び立法化していく方針が示された。

昨年6月には、英国財務省が提出していた「金融サービス・市場法案(Financial Services and Markets Bill:FSMB)」が王室の承認を受け法制化。

また同年10月からは、英国金融行動監視機構(FCA)による新しい暗号資産マーケティング規則が導入された。

同月26日には「経済犯罪および企業の透明性に関する法案」が、王室の承認を得て正式に成立。同法案は昨年9月に提出されたもので、当局による「マネーロンダリングや麻薬取引などの犯罪に使われた暗号資産」を押収・凍結する権限を、地方裁判所及び法執行機関に拡大するものだ。

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参考:ブルームバーグ
images:iStocks/8213erika・antoniokhr

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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