グレイスケール、現物BTC投資信託「GBTC」の運用効率化で契約更新

2つの変更案を提案

暗号資産(仮想通貨)運用会社グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)が、現物(スポット)ビットコイン(BTC)投資信託「グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」の契約書を2018年以来に更新した。グレイスケールがSECへ11月29日申請した書類にて明らかとなった。

書類では、信託契約に関する2つの変更案が提案されている。なおこの提案は「同信託が承認を受けたり、上場投資信託(ETF)として運用されたりするための前提条件ではないが、スポンサーや信託にとって有益であると思われる運用効率を提供するもの」だという。

1つ目は手数料に関してだ。

これはこれまでグレイスケールに後払いの月単位で徴収されていた手数料を、日払いにするものだ。

なお支払い頻度に関しては、スポンサー(株主)が独自の裁量を持つ。

2つ目はオムニバス口座についてだ。

現在の信託は信託資産を他の人の資産と合算することができないため、プライムブローカーがプライムブローカーサービスを提供する際に利用するオムニバス口座に信託資産を保有することができない。

しかし今回の修正案は信託財産の一部をカストディアンによって管理される1つ以上のオムニバス口座に随時保有することを認めるものであるため、株式の作成と償還が容易になる可能性がある。これにより、信託はプライム・ブローカーのサービスを利用できるようになる。

なお今回の契約書更新は、株主投票を経て行われる予定だ。

もしこの2つの提案でいずれかもしくは両方が採用されなかった場合、採択されなかった提案についてはこれまでと同じ方法で運用されるとのことだ。

グレイスケールはこの提案を、同社と「GBTC」双方にとって有効な運用効率化を目的としたものだと説明。

同社はまた、規制当局の承認が得られ次第、現物ビットコインETFを米証券取引所のエヌワイエスイーアーカー(NYSE Arca)に上場する準備が整っていると強調した。

グレイスケールは10月19日、米証券取引委員会(SEC)へ、フォームS-3登録申請書にてGBTCの新たな申請を行っている。

なおグレイスケールは2021年10月に「GBTC」を上場投資信託(ETF)に転換する申請を行っている。

グレイスケールは今年6月、SECが恣意的に現物ビットコインETFの承認拒否を続けているとし、ワシントンD.C.の連邦控訴裁判所へ訴えおり、控訴裁は8月29日、SECに対し承認拒否を取り消すよう命じている。

なおグレイスケールは今年10月、イーサリアム投資信託の「グレースケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)」を現物イーサリアム(ETH)上場投資信託(ETF)に転換するための「フォーム19b-4」をSECに提出。

グレイスケールは同社の全ての信託商品をETFへ転換させることに引き続き尽力すると伝えている。

関連ニュース

参考:文書
images:iStocks/24K-Production

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【4/26話題】コンセンシスがETH規制でSECを提訴、米国政府マネーファンドがP2Pで転送可能になど

米コンセンシス、イーサリアム(ETH)規制めぐり米SECを提訴、フランクリン・テンプルトン、「米国政府マネーファンド」をP2Pで転送可能に、オーケーコインジャパンにオプティミズム(OP)上場へ、国内3例目、米決済ストライプ、「USDC支払い」今夏から導入へ、Fireblocks、機関向けのDeFiセキュリティ機能を拡張、アーサーヘイズ、ビットコインの強気相場続くと予想、コスモス「IBC」でトークン無限発行のバグ修正、アシメトリックリサーチ報告、ビットコインの改善提案「BIP420」公開、スマコン追加やゼロ知識証明など実装に向け、エルサルバドル、公式デジタルウォレット「Chivo」のソースコード流出、米SEC、テラフォームラボと創業者に約53億ドルの支払い命じる