暗号資産決済「Slash」、イーサL2アービトラムワンに対応開始

スラッシュがアービトラムワン対応開始

暗号資産(仮想通貨)決済「Slash Payments(スラッシュペイメント)」が、Ethereum(イーサリアム)L2ソリューション「Arbitrum One(アービトラムワン)」に対応を開始した。同サービス提供のSlash Fintech Limited(スラッシュフィンテックリミテッド)が11月7日に発表した。

今回のアービトラムワン対応により、アービトラム上で発行されているトークンにて「スラッシュペイメント」を通じた決済が可能になったとのこと。

なお「スラッシュペイメント」の対応チェーンは、今回のアービトラムワンで6つ目となる。

現在同サービスではアービトラムワンの他、イーサリアム(Ethereum)、BNBチェーン(BSC:BNB Smart Chain)、Polygon PoS(ポリゴンPoS)、アバランチ(Avalanche)のCチェーン、アスターネットワーク(Astar Network)のブロックチェーン上の暗号資産での支払いに対応している。

なお今回のアービトラムワン対応にあたり、銀座の「CryptoBar P2P」にて「Arbitrum Payキャンペーン」を開催するとのこと。11月30日までの期間限定で「CryptoBar P2P」にて「スラッシュペイメント」を利用してアービトラム上のトークンで100ドル分決済したユーザーに対し、差額分をP2P Tokenでキャッシュバックするとのことだ。

「スラッシュペイメント」とは

「スラッシュペイメント」は、顧客が暗号資産で決済する際に支払先が受け取り希望する暗号資産を持たなくとも、顧客自らが保有する暗号資産が決済画面において自動的にスワップされ、支払先希望の暗号資産で支払いができるサービスだ。システムがDEX(分散型取引所)ルーターと連携することで、最適なレートで暗号資産をスワップする仕組みとなっている。

ユーザーが支払いに利用できる暗号資産は「スラッシュペイメント」がサポートするブロックチェーン上で発行されている1400以上の銘柄がサポートされているとのこと。また売り上げとして暗号資産を受け取る導入店舗側はUSDT・USDC・DAI・JPYC・wETHといったステーブルコインを選択して受け取りができるようになっている。また導入店舗は、コントラクトの発行を行うだけでQRコード/APIの利用が可能となっている。

なおスラッシュフィンテックリミテッドでは「スラッシュペイメント」の他に、NFTに暗号資産の預入と引出ができるサービス「Slash Vaults(スラッシュボールト)」も提供している。

アービトラムとは

「アービトラム」はイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション。同ネットワークでは、「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用することでイーサリアムの安全性を保ちつつオフチェーンでの高速処理を実現している。

なおアービトラムでは、「アービトラムワン(Arbitrum One)」および「アービトラムノヴァ(Arbitrum Nova)」の2つのネットワークを展開している。

「アービトラムワン」はアービトラムのパブリックなメインネットであり、誰でもバリデーターとなることができる仕組みとなっている。一方で「アービトラムノヴァ」は選定されたバリデーターのみが参加する許可型のメインネットとなっており、厳密な分散性を達成することはできないが、その分低い手数料での利用を可能にしている。

そのような特性から「アービトラムワン」はDeFi(分散型金融)及びNFT向けチェーン、「アービトラムノヴァ」はゲーム及びソーシャルアプリに特化したチェーンとして取り扱われるケースが多い。

またイーサリアムのセキュリティを完全に引き継ぐネットワークとして「アービトラム」は6.46Bドル(約9,693億円)のTVL(総預かり資産)を誇り、イーサリアムレイヤー2としては最大のネットワークとなっている(10/27 L2BEAT参照)。

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参考:スラッシュフィンテックリミテッド
images:iStocks/eugenesergeev

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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