香港CMCCグローバル、約149億円規模のWeb3特化型ファンドを新設

香港に約149億円規模のWeb3特化型ファンドが新設

香港のベンチャーキャピタルであるCMCCグローバル(CMCC Global)が、Web3起業家向けの新たな投資ファンドを立ち上げたことを10月4日発表した。

発表によれば、CMCCグローバルが立ち上げた新ファンドは「タイタンファンド(Titan Fund)」と呼ばれ、ブロックチェーン企業の株式に投資するとのことだ。具体的にはインフラ・フィンテック・ゲーム・メタバース・NFTなどのコンシューマー・アプリケーションのアーリーステージのスタートアップを対象とし、投資を行っていくという。

「タイタンファンド」は1億ドル(約149億円)の資金調達を達成し、立ち上げられたとのこと。アンカー投資家は投資機関の「ブロックワン(Block.one)」で、5000万ドル(約74.4億円)を出資したという。またCMCCグローバルも同ファンドに15%のGP(General Partner:無限責任組合員)出資を行ったとのこと。

その他の投資家として、「パシフィック・センチュリー・グループ(Pacific Century Group)」、香港の「ジェブセン・キャピタル(Jebsen Capital)」、「ウィンクルボス・キャピタル(Winklevoss Capital)」といった投資機関や、アニモカブランズ(Animoca Brands)のCEOであるヤット・シウ(Yat Siu)氏を含む著名なブロックチェーン起業家らからの個人投資も受けているとのことだ。

ブロックワンのCEOであるブレンダン・ブルメル(Brendan Blumer)氏は「CMCCグローバルは、この業界で最も早くからベンチャーキャピタルに投資してきた企業のひとつであり、彼らのチームは将来の勝者を見極めることにおいて確固たる実績を築いてきた」と述べ、「ブロックワンでは、ブロックチェーン・ソフトウェア・ソリューションの開発と革新、スケーリング・ソリューションの開拓、Web3における信頼の構築と効率性の向上を実現する新技術のインキュベーションを行ってきた。『タイタンファンド』はこれらの目標を共有し、この業界をリードする次の波を築く新世代の起業家を支援する」とコメントしている。

「タイタンファンド」のマネージングパートナーにはブロックワンのイェン・シャウ・シン(Yen Shiau Sin)氏が着任する。

投資責任者には、オルタナティブ投資運用プラットフォームの「ブレバン・ハワードデジタル(Brevan Howard Digital)」で経験を積んだジョナサン・チャン(Jonathan Cheung)氏を迎えるとのことだ。

なおファンドの管理者はステート・ストリート(State Street)、監査人はEYだ。ファンドの運用は、香港の証券先物委員会(SFC)からそれぞれの資産運用ライセンスを付与されているCMCCグローバルの香港子会社、フィンテック・インベストメント・グループ・リミテッド( Fintech Investment Group Limited)が行う。

CMCCグローバルは9月、アニモカブランズが実施した2000万ドル(約29億円)の資金調達を主導している。

CMCCグローバルはWeb3投資特化型のアジア初のVCファンドであり、運用資産額は5億ドル(約733.4億円)を超えると伝えられている。

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参考:CMCCグローバル
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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