FBI、暗号資産オンラインカジノStake[.]comハッキングに北朝鮮ハッカー集団「ラザルス」関与を確認

北朝鮮ハッカー、約60.3億円相当の暗号資産盗む

米国連邦捜査局(FBI)が、暗号資産(仮想通貨)ベースのオンラインカジノプラットフォーム「ステークドットコム(Stake.com)」のハッキングによる資金流出事件への、北朝鮮に関連するハッカー集団「ラザルス(Lazarus)」の関与を確認したと9月7日発表した。

この事件は9月4日頃発生したとされている。ステークドットコムは外部からの不正ハッキングにより約4,100万ドル(約60.3億円)の暗号資産が流出する被害を受けていた。

FBIの調査によれば、ラザルスはステークドットコムからイーサリアム(ETH)、バイナンス・スマートチェーン(BSC)、ポリゴンネットワークに関連する暗号資産を盗んだという。

FBIはまた、ラザルスが盗んだ暗号資産を移したとされる33の暗号資産アドレスも公開。

民間事業者に対し、これら暗号資産アドレスに関連するブロックチェーンデータを調べることを推奨し、これらのアドレスを直接使用する、またはこれらのアドレスに由来する取引に警戒するよう呼び掛けている。

ラザルスは2023年だけでも2億ドル以上の暗号資産をハッキングしたとされ、その中には7月22日頃に発生した暗号資産決済プロバイダーのアルファポ(Alphapo)と暗号資産決済プラットフォームのコインズペイド(CoinsPaid)から盗まれた約6000万ドル(約88.2億円)の暗号資産と、2023年6月2日頃に非保管型分散型ウォレットのアトミックウォレット(Atomic Wallet)から盗まれた約1億ドル(約147億円)の暗号資産も含まれるという。

FBIは1月23日、「Horizon Bridge(ホライゾンブリッジ)」のハッキングによる資金流出事件へラザルスが関与していたことを確認したと発表していた。

なお米国は昨年9月、ラザルスが人気ブロックチェーンゲーム「アクシーインフィニティ(Axie Infinity)」から盗んだとされる約43.1億円(3,000万ドル)以上の暗号資産を押収している。

また英ブロックチェーン分析プロバイダーElliptic(エリプティック)のレポートによると、北朝鮮は2017年から2022年の間に企業から合計23億ドル(約3,126億円)の暗号資産を盗んでいるとのことだ。

関連ニュース

参考:FBI
デザイン:一本寿和
images:iStocks/domoyega

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/2話題】ビットコインが下落、米検察がブロック捜査、レイヤーゼロがスナショなど

ビットコインが6%近く下落、FOMC控え 最高値から22%安、米連邦検察、米決済ブロックの社内業務を調査=報道、レイヤーゼロがスナップショット実施、エアドロ間近か、テザー社、Q1が過去最高益45億ドル超に、純資産額も初公表、米セキュリタイズがブラックロックらから4700万ドル調達。サークル、アプトスラボ、パクソスも参加、HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で、「スイ(SUI)」のミステンラボ、グーグルクラウドと提携、親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難、ストライプで「AVAX」の購入が可能に、アバランチとコアウォレットに統合で、ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に、イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応、クリプトヴィレッジのLocal DAO、旧山古志に続き「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を選定。「Nishikigoi NFT」保有者の投票で決定へ

ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に

「ユニスワップ(Uniswap)」のモバイルアプリ「ユニスワップウォレット(Uniswap Wallet)」にオンランプ機能「ロビンフッドコネクト(Robinhood Connect)」が統合され、同アプリではロビンフッド内の資金で暗号資産(仮想通貨)の購入が可能となった。このことはユニスワップが4月29日発表した