米議員ら、アップルのApp Storeがブロックチェーン技術革新を阻害と懸念、ティム・クック氏に書簡送る

App Store規約が新興技術を阻害と指摘

米下院議員らが、米アップル(Apple)CEOのティム・クック(TimCook)氏へ「App Store規約がイノベーションを阻害しているのではないか」との懸念を示す書簡を7月28日送った。

なお同書簡は、イノベーション・データ・商業委員会(Subcommittee on Innovation, Data, and Commerce)委員長のガス・ビリラキス(Gus Bilirakis)下院議員と、幹部メンバーのヤン・シャコウスキー(Jan Schakowsky)下院議員によるものだ。

議員らは書簡にて、アップルのApp Store規約が、分散型台帳技術(DLT)やNFTなどの技術発展を阻害していないかとの懸念を示している。

具体的には、アップルが市場支配力を利用して、「意図的に選択肢を制限し、ユーザーエクスペリエンスを犠牲にしてイノベーションを抑制」したり、「ルールをApp Storeに導入することで利益を最大化」しようとしていないかとの懸念を挙げた。

また議員らは、アップルが「恣意的かつ一方的に、一連の技術的・体験的制限を適用」しており、「私たちの体験を向上させるアップグレードを日常的にブロックしている」と指摘。特に、アップルはApp Storeのガイドラインを利用して自社の利益を増大させ、ブロックチェーンやNFT、その他のブロックチェーン関連技術におけるアプリの有用性を低下させているようだと非難した。

実用性を低下させる恐れ

議員らは、アップルがApp Storeガイドラインを利用して、企業にアプリの「ライト(簡易)」バージョンを強制的に提供させることで、暗号資産関連アプリの実用性を低下させているように見えると指摘。

その例として、大手暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)の事例を挙げている。

コインベースは2022年12月、アップルがiOSのウォレットアプリからNFT送金を削除するよう強制したと非難。コインベースはアップルがApp Storeの規約を引用し、NFT送金に関するガス代の30%徴収を要請していると訴えた。

コインベースはこれについて「NFTとブロックチェーンの仕組みを理解している人にとって、これは明らかに不可能だ」とツイートした。

このことを受け議員らは、NFTに関するApp Storeの規約を遵守するため、企業はアプリの「ライト」バージョンを展開せざるを得なかったと主張している。

米国のリーダーシップ確立の一助に

また議員らは、「プレイ・トゥー・アーン(Play To Earn:P2E)」ゲームの先駆者アクシーインフィニティ(Axie Infinity)がiOSの重要性を認識していることを例に挙げ、アップルがブロックチェーン、NFT、その他の分散型台帳技術などの革新的な新技術をサポートすることで、これらの技術における米国のリーダーシップが確固たるものになる可能性があると指摘した。

アクシーインフィニティは今年5月、ブロックチェーンカードゲーム「アクシーインフィニティ:オリジンズ(Axie Infinity:Origins)」のiOS版を公開したことを発表。

しかしApp Storeの規約に準拠する必要がある為、iOS版「オリジンズ」では、ゲーム内で獲得できる暗号資産(仮想通貨)スムースラブポーション:Smooth Love Potion(SLP)をゲーム内で獲得はできるが、報酬として受け取れないなどの制限があることも併せて発表していた。

21の質問も

また議員らは同書面にてクック氏に対し、App Storeの規約やレビューに関する21の質問も投げかけている。

具体的には規約違反に対する具体的な対処や、App Store上のアプリの監査頻度、各アプリに重大な脆弱性がないか審査しているか、また、アップルがブロックチェーンや関連技術を使ったアプリの開発を計画しているかなどの質問が挙げられている。

また議員らは、同質問へ2023年8月14日午後5時までに回答するようクック氏に求めている。

なお議員らは以前、TikTokや中国発の他のアプリに関するApp Storeの規約に関して、アップルに同様の書簡を送っていた。

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参考:書簡
デザイン:一本寿和
images:iStocks/royyimzy・Rawpixel

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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