バイナンスが資産凍結命令に反論、裁判所はSECとの話し合い促す=報道

バイナンスUSなどの資産凍結命令拒否を主張

バイナンスホールディングス(Binance Holdings Limited)らが、米証券取引委員会(SEC)からの資産凍結の申し立てを却下するよう連邦判事に要請した。バイナンスらが6月12日に裁判所へ提出した書類で明らかとなった。

SECは、バイナンスUSの関連資産凍結を6月6日に裁判所へ緊急要請。バイナンスUS及びバイナンスUSの持ち株会社および運営会社であるBAMマネジメントUSホールディングス(BAM Management US Holdings)およびBAMトレーディングサービス(BAM Trading Services)に関連する資産凍結の承認を求めていた。

今回裁判所へ要請を行ったのは、バイナンスホールディングス、BAMトレーディングサービス、BAMマネジメントUSホールディングス、そしてバイナンスCEOのチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏だ。

提出書類の冒頭では「SECの資産凍結要請は複数の理由から拒否されるべきだが、最も重要なのは『BAMの顧客資産にはリスクがない』という点だ」と強調されている。

またバイナンスは、「SECが主張する緊急事態など、実際には全く存在していない」と主張。SECがバイナンスUS及びバイナンスが長きにわたり不法運営してきたと指摘している件について、バイナンスは「それならば何故SECは、これらのプラットフォームを成⻑させたのか?」と疑問を呈した。またバイナンスは、「突然の『緊急事態(資産凍結要請)』が、バイナンスとコインベースが連日訴えられるという、暗号資産業界全体に対するSECの攻撃と偶然重なるのはなぜなのか?」と指摘している。

またバイナンスは、「2023年5月30日まで、SECはバイナンス及びCZ氏に対してBAMの顧客資産にリスクがあることさえ示さなかった」と述べ、SECの訴状及び一時的制限命令(「TRO」)の申し立てを支持する準備書面には、「なぜ今なのか」という基本的な疑問に対する答えが記されていないと指摘した。

バイナンスは上記の理由を含む複数の理由から、バイナンスホールディングスやCZ氏に対する資産凍結要求は却下されるべきと主張。バイナンスは「SECが要求する救済措置は不当かつ不適切だ」とし、「特別な救済措置には特別な証拠が必要となるが、SECが指摘できるのは『SECは十分な安心感を得ていない』や『SECは懸念している』などといった根拠のない主観的心配だけだ」と指摘した。

両社協議による決着へ

今回の資金凍結をめぐる争いは両社の話し合いで決着することになりそうだ。

ブルームバーグの6月14日の報道によれば、米地裁のエイミー・バーマン・ジャクソン(Amy Berman Jackson)判事は13日、数十億ドルの顧客資金を保護する方法について、「両社に大きな隔たりはない」と判断。SECの訴訟が進む間、取引所を閉鎖せず妥協的な合意に取り組むよう促したという。ジャクソン判事は、この妥協案の模索を下級判事に委ねている。

ジャクソン判事は公聴会にて、「細かいことは、私よりもあなた方がやったほうがいい」とコメント。判事は「もし合意が成立すれば、SECの一時的な差し止め命令の要求について裁定する必要はなくなるだろう」と述べたという。

またジャクソン判事は「バイナンスの資産を完全に遮断することはバイナンスのみならずデジタル資産市場全般に大きな影響を与える可能性がある」との考えも公聴会にて示している。

SECによるバイナンス提訴について

バイナンスは今回、資産凍結に関する申し立てについて話し合いによる合意を得ることができたが、同社とSECの争いはまだまだ続きそうだ。

バイナンスとCZ氏は6月5日、米証券取引委員会(SEC)より提訴されている。

SECは、バイナンスが取引量を人為的に膨らませ、顧客の資金を流用した他、米国の顧客が国外の交換所で取引できるようにし、市場規制について投資家に誤解を与えたなどと指摘。ワシントンDCの連邦裁判所に提出された訴状には、バイナンスとCZ氏、同社の米交換所運営会社に対する13の容疑が記載されていた。

またSECは、CZ氏が所有する会社が約3年前から2022年6月までの期間にて、ウォッシュトレードを行い、米暗号資産取引所「バイナンスUS」上の暗号資産証券の取引量を人為的に膨らませていたとも指摘している。

これに対しバイナンスはSECの申し立てに反論。「バイナンスは米国の交換所ではないため、SECの措置が及ぶ範囲は限られる」と指摘し、「バイナンスとバイナンスUSを含む系列プラットフォームの顧客資産は全て安全だ」と強調した。

なお関係筋によるとバイナンスは、マネーロンダリング(資金洗浄)と制裁違反の疑いで司法省の調査も受けているという。

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参考:提出書類
images:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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