バイナンス、韓国取引所GOPAXの買収計画延期か。米SECの訴訟影響で=報道

韓国ゴーパックスの買収計画が滞る

韓国の金融監視機関である金融サービス委員会(FSC)が、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)による韓国大手暗号資産取引所ゴーパックス(GOPAX)の買収計画を審査しているという。現地メディアのニュースピム(Newspim)が6月7日報じた。

報道によればFSCは、米証券取引委員会(SEC)がバイナンスを提訴したことを受け、3月7日に提出されていたゴーパックス役員変更の報告書を停止したという。この報告書にはバイナンスアジアパシフィック(Binance Asia Pacific)のCEOであるレオン・シン・プン(Leon Singh Poong)氏を含む3名のバイナンスのメンバーがゴーパックスの内部取締役として指名されているとのことだ。

SECは6月5日、バイナンスとCZ氏を13の容疑で提訴している。

また6月7日にSECが、バイナンスUS関連の資産凍結も要請していることから、FSCはゴーパックスの買収計画が白紙に戻る可能性も示唆しているという。FSCの幹部の1人は、SECの提訴を考慮することが重要と述べ、「報告を受け入れるかどうかは、内部で検討中であり、慎重に判断している」と述べている。

またFSCの関係者は4月、「原則、報告書を読んでから45日以内に結論を出さなければならないが、例外条項に従ってデータを補強する要請があれば、さらに期間を要することもある」と述べていることから、同報告書の受理を遅らせることが予想されている。

なおバイナンスによるゴーパックスの買収が失敗した場合、ゴーパックスが現在提供を停止してるサービス「GoFi」の預金引き出しにも支障が出る可能性もあるという。「GoFi」は、DeFi(分散型金融)サービスの利回り商品の出金と利払いをするサービスだ。

バイナンスによるゴーパックス買収計画の経緯

バイナンスは2月3日、ゴーパックスの株式過半数を取得したことを発表。なお取得額は非公開であった。

バイナンスによるゴーパックスの株式取得は、バイナンスによる「暗号資産業界復興ファンド(Industry Recovery Initiative:IRI)」による取り組みの一環とのこと。

発表によると昨年11月にゴーパックスは、暗号資産の貸出プログラムを通じて数十万人の投資家に証券を違法に販売したとしてSECから起訴されたジェネシスグローバルキャピタル(Genesis Global Capital)の影響を鑑み、「GoFi」を停止していたという。

なおゴーパックスの親会社であるストリーミ(Streami Inc.)はジェネシスグローバルキャピタルの最大債権者の1社としてリストされていることも報じられていた。

その停止以降ゴーパックスは、規制当局や業界パートナーと緊密に連携しながら、影響を受けたユーザーの支援をするために資金調達の方法を模索していたとのこと。

バイナンスはこの株式取得を通じて、ゴーパックスに資本注入とGoFiユーザーへの出金と利払いを可能にするよう対応していくと発表していた。

なおバイナンスは、韓国でサービスを展開していたバイナンスコリア(Binance KR)を2021年1月をもってサービス終了している。

関連ニュース

参考:Newspim
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Foryou13

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

コスモス開発会社オールインビッツ、ガバナンス専用チェーン「GovGen」立ち上げとコスモスのフォークチェーン発表

コスモス(Cosmos)エコシステムの開発会社オールインビッツ(All in Bits)が、ガバナンス専用チェーン「ガバジェン(GovGen)」立ち上げを2月24日発表した。また同社は同日、コスモス(Cosmos)エコシステムの中心となるブロックチェーン「コスモスハブ(Cosmos Hub)」からフォークするチェーン「アトムワン(AtomOne)」の立ち上げ予定も発表している