バイナンスのCZ、関連企業への顧客資産の送金疑惑を否定

バイナンス広報担当者からの声明も

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)CEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏経営の企業が、約120億ドル(約1.6兆円)もの顧客資金を受け取っていたと報じられた件をCZ氏が否定した。

CZ氏は6月9日のツイートで、コインデスクの報道記事を引用し、「これは単なる虚偽。ジャーナリストのせいなのか、ソースのせいなのかはわからないが」と述べた。

また同氏の知る限り、バイナンスUSには合計でおよそ20億ドルの顧客資産があったという。しかしこの数字は米ドル換算であるため、暗号資産の価格変動に伴い変動すると指摘。また「最近のニュースによるユーザー撤退に伴い(その額は)減少している」ことも付け加えた。

またCZ氏は、すべての顧客資産は記録されていると強調。ユーザーが撤退する場合を除いて、顧客資産がバイナンスUSのプラットフォームから動くことはないと言い切っている。

またバイナンスの広報担当者は決済プラットフォーム関連専門メディア「ペイメンツ(PYMNTS)」への声明にて、提出書類で参照されたファンドは 厳密には企業の資金であり、ユーザーの資産ではないと述べている。

同報道は、6月8日から9日にかけて各社により報じられたものだ。

米証券取引委員会(SEC)がバイナンスUS提訴の際に裁判へ提出した書類によれば、顧客資金はCZ氏が大きく関わる企業「キービジョンデベロップメント(Key Vision Development Ltd)」を通じて、CZ氏が経営するオフショア取引会社「メリットピーク(Merit Peak)」へ送られていたと主張されていた。

SECはまた、今年1月から3月にかけて、複数のバイナンスの銀行口座から、CZ氏の側近でバイナンス幹部のグアンイン・チェン(Guangying Chen)氏が実質的に所有するシンガポール企業の外国口座に1億6200万ドル(約226.3億円)以上が海外送金されたとも述べている。

なおこの書類は、SECが雇用する会計士サチン・ヴェルマ(Sachin Verma)氏の証言によるもので、SECがバイナンスUSの資産凍結を裁判所に要請するための主張の一部として使用される予定だという。

 

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参考:提出書類
デザイン:一本寿和
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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