バイビットがカナダ市場から撤退、規制強化うけ

バイビットがカナダ市場から撤退

海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイビット(Bybit)が、カナダ市場からの撤退を5月30日発表した。

バイビットは撤退の理由を、「カナダにおける規制強化を考慮した」と述べている。

発表によるとバイビットは、5月31日8:00(世界協定時)よりカナダユーザーの新規口座開設の申請受付を終了するとのこと。

その後7月31日8:00(世界協定時)から同国ユーザーへ提供されていた、全てのプロダクトとサービスが利用できなくなるとのこと(新規入金・新規契約の締結・既存のポジションの増加)。

またポジションについては、9月30日8:00までに対応する必要があり、その時間以降は自動的に清算がされるようだ。

カナダ証券管理局(CSA)は2月22日、同国で運営を行う暗号資産取引所に対して、規制に関する追加のガイダンスを通知。これには暗号資産の分離保管やレバレッジ取引の提供禁止、CSAの承認無しのステーブルコイン取り扱い禁止などが盛り込まれていた。

このカナダの規制強化を受け、3月には暗号資産取引所OKXが同国市場から撤退。続けて4月にDEX(分散型取引所)dYdX、暗号資産取引インフラのパクソス(Paxos)、そして5月に大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)がカナダからの撤退を表明している。

また反対に米暗号資産取引所クラーケン(Kraken)は、カナダの規制に準拠し営業する方針だ。同取引所は3月、カナダで暗号資産関連サービスを展開する予定の企業に対してCSAが導入した事前登録制度「Pre-Registration Undertaking(PRU)」をカナダのオンタリオ証券委員会に提出している。

そもそもバイビットは2021年4月にカナダのオンタリオ証券委員会(OSC)より、同国オンタリオ州にてデリバティブや証券の取引を提供しているとして警告を受けていた。

その他にもバイビットは、今年3月31日にビットゲット(Bitget)・エムイーエックスシー(MEXC)・ビットフォレックス(Bitforex)といった海外取引所と共に日本の金融庁から「インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っている」と警告を受けていた。

なお、この警告後の4月26日、バイビットは同取引所のサービスを利用する個人投資家に対し、KYC(本人確認)を必須とするルール変更をしている。

また直近の5月29日にバイビットは、カザフスタン共和国で暗号資産事業を行う為の予備ライセンス取得を発表している。

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参考:バイビット
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Abscent84・Simon-Lehmann

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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