LINEの暗号資産「LINK(LN)」、「FINSCHIA(FNSA)」に名称変更

LINK(LN)がFINSCHIA(FNSA)に名称変更へ

LINE独自で開発した「LINEブロックチェーン」のネイティブトークンである「リンク:LINK(LN)」の名称が、「フィンシア:FINSCHIA(FNSA)」に変更された。「LINEブロックチェーン」および「フィンシア」の運営を行うFinschia Foundation(フィンシア財団)が、5月25日発表した。

なお同財団は、今年3月にLINEのグループ会社LINE TECH PLUS(ラインテックプラス:LTP)が、アラブ首長国連邦アブダビにおいて設立した非営利団体だ。

今回のトークン名称の変更は、「LINEブロックチェーン」の第3世代のメインネット「Finschia(フィンシア)」と第2世代メインネット「Daphne(ダフネ)」の統合を実施するアップグレード完了を受けてのものだ。

この統合は、現在プライベートブロックチェーンである「LINEブロックチェーン」をパブリックブロックチェーンへ移行するためのプロセスとして実行された。フィンシア財団は、コンソーシアム段階を経てパブリックブロックチェーンに移行する予定を発表している。

なおパブリックブロックチェーンへ移行するためフィンシア財団では、2023年第2~3Q(4月~9月)において4つのマイルストーンを設定している。

第1のマイルストーンはフィンシア財団の設立で、第2は「トークンエコノミー2.0」の活性化、第3がメインネット統合となっており、ここまでのマイルストーンが今回で完了している。そして残すところ第4のマイルストーンとしてコンソーシアム体制への移行が予定されている。

なおフィンシア財団による「トークンエコノミー2.0」は、インフレーションアルゴリズムに基づいた「FINSCHIA(FNSA)」の自動発行モデルへの移行や「FINSCHIA(FNSA)」の発行量限度の廃止、「Finschia」にて新規発行された「FINSCHIA(FNSA)」の分配計画などが決められている。

「あたらしい経済」編集部が確認したところ、すでに「リンク(LN)」を取り扱っている国内暗号資産取引所LINE BITMAX(ラインビットマッククス)をはじめ、海外取引所のGate.io(ゲート)、Huobi Global(フォビグローバル)が「フィンシア(FNSA)」への名称変更に対応している。なおBithumb(ビッサム)においては記事執筆時点(5/29 11:30)で対応していなかった。

アップグレードによる変更点など

なお今回のフィンシアのメインネットアップグレードでは、フィンシアメインネットに移行する前のダフネメインネットで使用していた既存の公開鍵と秘密鍵はそのままフィンシアメインネットに引き継がれるとのこと。トークン残高の単位はLINKからFINSCHIAに変更され、全額移行されているという。

また「ダフネメインネットで使用していたすべてのトークン/コレクション情報はフィンシアメインネットに移転され、変更なく使用できる」他、「既存のフィンシアメインネットでのステーキング数量と関連情報はそのまま維持される」という。

しかし取引履歴については、「ダフネメインネットの最終状態のみがフィンシアに移行される。過去に実行されたすべての取引詳細が移行されるわけではない」とのこと。なお過去のダフネメインネット取引情報については、LINE Blockchain Explorerで確認が可能とのことだ。

また主要なチェーン機能としては、変更前がユーザーステーキングとスマートコントラクトのみであったが、変更後はその2点に加え、トークン/コレクション(FT/NFT)、Finschiaガバナンス(2023年5〜6月中を予定)、IBC(Inter-blockchain communication:互いに異なるアプリチェーン間のデータ移動を検証し支援する一つのプロトコル)が機能として追加されるとのことだ。

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参考:フィンシア
デザイン:一本寿和
images:iStocks/dalebor

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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