Trust Wallet、昨年11月末作成のアドレスに脆弱性確認。推定17万ドルの損失か

Trust Walletで脆弱性が発見、17万ドルの被害か

暗号資産(仮想通貨)ウォレットのトラストウォレット(Trust Wallet)の一部アドレスに脆弱性が含まれていたことが4月22日に発表された。対象となるのは、2022年11月14日から23日にブラウザ拡張機能によって生成されたアドレスとのこと。

なおこの脆弱性をついたハッキングが2件発生し、約17万ドルの損失が出たことが報告されている。

トラストウォレットは、既にこの問題を修正したことを発表。さらに発生した損失を補填するとした。

また現在被害を受けていないものの、被害を受ける可能性のある資産が88,000ドル程あることも報告されている。トラストウォレットは該当するウォレットを利用するユーザーに対し、速やかに安全なアドレスへ移動するよう警告している。

トラストウォレットの発表によるとこの脆弱性は、当該期間に作成されたアドレスの秘密鍵生成に利用された「乱数生成アルゴリズム」に含まれる脆弱性に起因するものであったという。

具体的には、トラストウォレットがブラウザ拡張機能で利用しているソフトウェアライブラリ内のウェブアセンブリ(WASM)による乱数生成が、バグにより予測しやすい状態になっていたことが原因であるとのこと。

そのため当該期間外に作成されたアドレスや、トラストウォレットにインポートした他のウォレットで生成されたアドレス、トラストウォレットモバイルアプリで作成されたアドレスは安全とのことである。

なお今回発見された脆弱性は、「バグバウンティプログラム」によってユーザーから報告されたものであるという。なお「バグバウンティ」は、脆弱性を発見し運営に報告することで報酬が得られるプログラムだ。

今月18日、イーサリアム(Ethereum)ベースのブロックチェーンにて5000ETH以上の原因不明のエクスプロイト(不正な資金流出)が報告されており、未だ原因は不明のままである。今回のトラストウォレットの脆弱性は、この原因不明のエクスプロイトと関係はないと報告されている。

なおトラストウォレットは、大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)傘下のウォレットアプリケーションだ。

関連ニュース

参考:トラストウォレット
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Panorama-Images

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【7/26話題】メタプラネットが「Bitcoin Magazine Japan」の独占運営権、ビットフライヤーがFTX Japanの買収完了など(音声ニュース)

メタプラネット、「Bitcoin Magazine」日本版の独占ライセンス取得、SBI、フランクリン・テンプルトンと日本での共同出資会社設立を正式発表、ビットフライヤー、FTX Japanの買収完了、「Jito」、ステーキングプラットフォーム「ジトリステーキング」のコード公開、英FCAがコインベース傘下のCBPLに強制執行、約450万ドルの罰金課す、米ジャージーシティ、年金基金をビットコインETFに投資へ、マイニングの米マラソンデジタルが1億ドル相当のビットコイン購入、完全HODL戦略を採用、クロスチェーンプロトコル「deBridge」、ガバナンストークンDBR発行へ

Sponsored

【7/25話題】SBIが「ビットコイン現物ETF」取り扱い準備か、DEAと東京電力らがDePINの「ピクトレ」を東京で実証試験へなど(音声ニュース)

SBIがビットコイン現物ETF取り扱い準備か=報道、DEAと東京電力らがDePINコンテンツ「ピクトレ」、東京都の3区で実証試験へ、京東コインリンク科技、香港ドルにペッグのステーブルコイン発行予定と発表、フェラーリが暗号資産決済システムを欧州にも拡大、米国での導入に続き、NTTデジタルとマツモト、卒業アルバムにブロックチェーン活用へ、タイ、デジタル資産配布の登録受付を8月1日から開始。デジタルウォレット政策一環で、農産業のRWAマーケットプレイス「Agridex」、ソラナ上で初の農業取引を決済=報道