ナスダック、暗号資産事業立ち上げ、機関投資家向けカストディ提供へ

ナスダック、暗号資産事業立ち上げ

証券取引所を運営するナスダック(Nasdaq)が、暗号資産(仮想通貨)などデジタル資産のエコシステムを支える新事業として「ナスダック・デジタル・アセッツ(Nasdaq Digital Assets)」を立ち上げることを9月20日に発表した。

この新事業では、デジタル資産のカストディ、流動性、関係者のビジネスへの誠実性の強化に焦点を当てた機関投資家向けソリューションを提供するという。また新事業発表は、デジタル資産への幅広い機関投資家の参加を促進し支援するというナスダックの意欲を裏打ちするものだとしている。

ナスダック・デジタル・アセッツは、まずデジタル資産関連サービスの接続性、可用性、効率性に関する業界の課題に対処するため、流動性と執行サービスを組み込んだカストディ・ソリューションを開発する予定だ。そのサービスの特徴は、ホット&コールド暗号資産ウォレットの優れた特性を結集し、セキュリティを損なうことなく高度なアクセス性と拡張性を提供するものだという。

ナスダック・デジタル・アセットは、デジタル・アセットの責任者であるシニア・バイスプレジデントのアイラ・アウエルバッハ(Ira Auerbach)氏がチームの戦略的ロードマップ、成長目標、商品開発を統括する。

なお同氏は暗号資産取引所やカストディサービスを提供するジェミナイ(Gemini)からナスダックに入社し、プロダクト、ビジネス開発、トレーディングの分野で複数の幹部職を歴任してきていた。また直近では、暗号資産プラットフォームのプライムブローカレッジサービスであるジェミナイプライム(Gemini Prime)のグローバルヘッドを務めていた。

ナスダックの社長兼CEOアデナ・フリードマン(Adena Friedman)氏は「ナスダック・デジタル・アセットは、デジタル資産取引所のマーケットプレイス技術、暗号資産ネイティブの金融犯罪対策製品、取引可能な製品の暗号資産関連インデックスソリューションなど、当社が近年導入し成功しているソリューションを基に、デジタル資産のエコシステムに対応するものです。デジタル資産のエコシステムを支えるテクノロジーは、長期的に市場を変革する可能性を秘めています。その機会を実現するために、私たちは進化を支える流動性、整合性、透明性の向上をもたらす機関投資家向けのソリューションを提供することに注力していきます」と伝えている。

またナスダックは、デジタル資産金融環境における金融犯罪の脅威の高まりに対抗する中心的役割を果たすため、暗号資産エコシステム向けの新機能とカバレッジで金融犯罪防止技術を拡張したことも発表した。

ナスダックは、同社のプロダクトを通じて、暗号資産に特化した包括的な検知機能を提供し、伝統的資産とデジタル資産、フィアット(法定通貨)と暗号資産、オンチェーンとオフチェーン活動にわたってリスクを効果的に軽減し、マネーロンダリング防止、不正検知、市場の不正利用を継続的に監視することを開始したという。

参考:ナスダック
images:iStocks/lucky-photographer
デザイン:一本寿和

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【3/21話題】エリック・トランプがメタプラネットの戦略アドバイザーに、PENGUとNFTの現物ETFが米SECに申請など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

EOS NetworkがWeb3バンキング特化「Vaulta」にリブランディング、新トークン発行とスワップを予定

「イオスネットワーク(EOS Network)」を運営する非営利団体イオスネットワーク財団(EOS Network Foundation:ENF)が、同ネットワークをWeb3バンキング(銀行業)の構築に特化した分散型金融ネットワーク「ヴォルタ(Vaulta)」にリブランディングする計画を3月18日に発表した。「ヴォルタ」への移行は今年5月末に予定されている