元コインベースのマネージャーの弟、インサイダー取引容疑で有罪認める

元コインベースのマネージャーの弟、インサイダー取引容疑で有罪認める

米国で暗号資産(仮想通貨)取引所などを運営するコインベースグローバル(Coinbase Global)の元プロダクトマネージャーのイシャン・ワヒ(Ishan Wahi)氏の弟ニヒル・ワヒ(Nikihil Wahi)氏が、米国検察当局が暗号資産に関わる最初のインサイダー取引事件と呼ぶ、電信詐欺の共謀罪について9月12日に有罪を認めた。

ニヒル・ワヒ氏は、マンハッタンで行われたロレッタ・プレスカ連邦地裁判事のオンラインで行われた法廷での審理で、コインベースの機密情報を元に取引を行ったことを認めた。

検察は、元プロダクトマネージャーのイシャン・ワヒ氏がコインベースの上場予定の暗号資産に関する機密情報を、弟とその友人サミール・ラマニ(Sameer Ramani)氏と共有したと述べている。

その後ニヒル・ワヒ氏とラマニ氏はイーサリアムベースの暗号資産ウォレットを使用して資産を取得し、2021年6月と2022年4月にコインベースの上場発表前に少なくとも14回取引したとされている。

また検察は暗号資産の価値が上昇し、少なくとも150万ドル(約2億1,000万円)の利益が発生したとしている。

ニヒル・ワヒ氏は「コインベースの機密情報を受け取り、その機密情報に基づいて取引を行うことが悪いことだと知っていた」と裁判官に伝えた。

また同氏は「有罪だと認めることは、最終的に米国から強制送還され、これまで働いてきたすべてを失うことを意味すると理解している」とも説明している。

なお同氏は先月、有罪を認めていたが、検察側との合意により主張内容を変更したという。判決は12月に下される予定だ。

一方でイシャン・ワヒ氏は無罪を主張し、次回は3月22日に出廷する予定だ。そして同じく起訴されたラマニ氏は逃亡中だ。

この取引に関する内部調査の結果を検察と共有したというコインベースは、世界最大の暗号資産取引所の1つである。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
images:Reuters
(Reporting by Lananh Nguyen and Saeed Azhar; writing by Michelle Price; Editing by Chizu Nomiyama and David Gregorio)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【4/24話題】香港でビットコインとイーサの現物ETFが月末から取引開始か、メタプラネットが2億円分BTC追加購入へ

香港、ビットコインとイーサリアムの現物ETFを4/30から取引開始か=報道、東証スタンダード上場メタプラネット、ビットコインを2億円分追加購入へ、ソラナのDEX「Jupiter」がモバイル版公開へ、Ultimate Wallet買収で、コインベースの米国外取引所、WIFおよびPEPEを無期限先物取引で取扱いへ、ビットコインL2「スタックス(STX)」、アップグレード「ナカモト」開始、PayPal、環境配慮の「ビットコインマイナー向けインセンティブプログラム」提案、NPOのEnergyWebらと協力で、米リップルラボ、SEC要求の約20億ドルの罰金に異議申し立て、SBI、Web3領域を中心としたコミュニティ「Bto3」創設、イーサリアム「edcon2024 TOKYO」、チケットが無料に