Bolt、暗号資産決済のWyreを15億ドルで買収

Bolt、暗号資産決済のWyreを15億ドルで買収

決済スタートアップのボルト(Bolt)が、暗号資産(仮想通貨)特化の決済企業ワイヤー(Wyre)を買収したことが分かった。買収の目的は、暗号資産取引を簡素化・民主化し、さらにその技術を小売業者と利用者が活かせるようにするためだという。

ウォールストリートジャーナルは、買収価格は約15億ドル(約1870億円)と報じている。

ボルトは「eコマースの新しいスタンダードを作る」というビジョンで2014年初頭に設立された決済企業だ。同社はこれまでに10億ドルほどの資金調達を行い、ヨーロッパとアジアへの国際展開、そして1000人以上のチームメンバーと300以上の加盟店を獲得してきた。

ちなみにボルトの創業者のライアン・ブレスロウ(Ryan Breslow)氏は創業前の2012年、スタンフォード大学在学時に「スタンフォード・ビットコイン・グループ」という研究組織を立ち上げている。

ワイヤーは2013年にイオアニス・ジャンナロス(Ioannis Giannaros)氏とマイケル・ダンワース(Michael Dunworth)氏によって立ち上げられた暗号資産決済企業だ。

これまでにパンテラキャピタル(Pantera Capital)、クラーケン(Kraken)などから資金調達を行なっている。ワイヤーは暗号資産ウォレットのメタマスク(Metamask)、NFTマーケットプレイスのラリブル(Rarible)、ブラウザのブレイブ(brave)などとも連携している。先日、メタマスクのiOSアプリでApple Pay決済可能となったが、その決済基盤はワイヤーだ。

ボルトのCEOであるマジュ・キュルヴィラ(Maju Kuruvilla)氏は次のようにコメントしている。

「WyreとBoltは、商取引の民主化と分散化という共通の目標を掲げています。Boltがあらゆる規模の小売業者に最新のデジタル技術を提供することを可能にしたように、Wyreは彼らのパートナーがライセンスを容易に確保し、規制のハードルに対処し、暗号資産エコシステムに統合することを可能にしました。私たちは共に参入障壁を取り除くビジネスを行っており、共にそれを行うことでさらに大きなインパクトを与えることができるでしょう」

ワイヤーの創業者でCEOのヤンニ・ジャンナロス(Yanni Giannaros)氏は、次のようにコメントしている。

「今日はワイヤーにとって重要な日であるだけでなく、世界で最もオープンで包括的な通貨システムに一般の方々がアクセスできるようにするための次のステップなのです」

参考:Bolt
images:iStocks/royyimzy・shironosov
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【7/26話題】メタプラネットが「Bitcoin Magazine Japan」の独占運営権、ビットフライヤーがFTX Japanの買収完了など(音声ニュース)

メタプラネット、「Bitcoin Magazine」日本版の独占ライセンス取得、SBI、フランクリン・テンプルトンと日本での共同出資会社設立を正式発表、ビットフライヤー、FTX Japanの買収完了、「Jito」、ステーキングプラットフォーム「ジトリステーキング」のコード公開、英FCAがコインベース傘下のCBPLに強制執行、約450万ドルの罰金課す、米ジャージーシティ、年金基金をビットコインETFに投資へ、マイニングの米マラソンデジタルが1億ドル相当のビットコイン購入、完全HODL戦略を採用、クロスチェーンプロトコル「deBridge」、ガバナンストークンDBR発行へ

Sponsored

【7/25話題】SBIが「ビットコイン現物ETF」取り扱い準備か、DEAと東京電力らがDePINの「ピクトレ」を東京で実証試験へなど(音声ニュース)

SBIがビットコイン現物ETF取り扱い準備か=報道、DEAと東京電力らがDePINコンテンツ「ピクトレ」、東京都の3区で実証試験へ、京東コインリンク科技、香港ドルにペッグのステーブルコイン発行予定と発表、フェラーリが暗号資産決済システムを欧州にも拡大、米国での導入に続き、NTTデジタルとマツモト、卒業アルバムにブロックチェーン活用へ、タイ、デジタル資産配布の登録受付を8月1日から開始。デジタルウォレット政策一環で、農産業のRWAマーケットプレイス「Agridex」、ソラナ上で初の農業取引を決済=報道