【取材】SNS「Yay!」運営ナナメウエ、16億円調達とweb3化しIEOも予定

SNS「Yay!」運営ナナメウエ、16億円調達とweb3化しIEOも予定

通話コミュニティSNS「Yay!」を運営するナナメウエが、シリーズBラウンドで16億円の資金調達と、「Yay!」事業をweb3化していくことを4月6日に発表した。

シリーズBで出資したのは、SBIインベストメント、FFGベンチャービジネスパートナーズ、アカツキ、Infinity Ventures IV (GP), Ltd.、Infinity Ventures Crypto, G.P.、DG Daiwa Ventures、90s Management、Skyland Venturesおよび個人投資家複数名らだ。

ナナメウエ運営する「Yay!」は、「つながりを科学する」というミッションのもとに「同世代 × 趣味趣向」でつながる若手向けSNSだ。ユーザー数は今年2月に500万人を超えている。

そして今後「Yay!」上にトークンエコノミーを形成し、インセンティブ構造を作り込み、利用者がサービス運営に直接関与することができるweb3時代の新しい居場所を生み出すチャレンジを行うことが発表された。

また「あたらしい経済」が取材したところ、「Yay!」は国内暗号資産取引所でIEOの実施も予定しているとのことだ。 

なお今回調達した資金は「Yay!の機能開発、トークンエコノミーシステムの構築、新規ユーザー獲得、認知拡大、既存ユーザーのリテンションのためのマーケティング強化、採用、人材育成体制の強化、ガバナンスの強化、NFTコミュニティへの貢献」に活用していくとのこと。

ナナメウエ代表取締役の石濵嵩博氏は、次のようにコメントしている。

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様々な領域で『民主化』の流れが来ています。SNSの文脈では、リアルな人と紐づく人間関係の柵や階層構造により息苦しさが蔓延し、匿名で素が出せてフラットで多様性があり他人に寛容なSNSへと人が移動しています。インフルエンサーが個人で稼げる、といったレベルは5年前の話で、一般のレイヤーの方々が自分らしさを表現できるSNSへの移動が始まっています。

ファイナンスの文脈では、既存の金融システムの規制や既得権益を嫌い、トラストレスで自律的に動く分散型ネットワークであるブロックチェーン技術やトークンエコノミーによる資産形成が拡大し、250兆円以上の市場を形成しています。

僕たちはそのソーシャルとファイナンスの民主化が混ざりあったものが、次世代バーチャルワールドを形作ると考えています。しかし残念ながら現時点で、メタバースとして熱量のあるコミュニティを形成できているプレイヤーはグローバルマーケットでもごく一部です。毎日使われる体験こそが重要です。

今回、ここしか無いというタイミングで素晴らしい投資家の皆さまと出会い、ご支援を決めてくださいました。日本という国はWEB3に関して様々な規制がありますが、正面から対話を重ね、丁寧に一つ一つクリアし、Yay!が日本発のコミュニケーション・情報流通インフラになれるよう全力を尽くしていきます。絶対にやりきります。
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またナナメウエは、日本発のグローバルSNS実現に向けたガバナンス強化のため元警視総監の樋口建史氏が社外取締役に就任したことも発表した。

ナナメウエ代表取締役の石濵嵩博氏へ取材

「あたらしい経済」編集部は、ナナメウエ代表取締役の石濵嵩博氏へ取材を行った。

−−web3ビジネスの可能性について、具体的にどのように考えられていますか?

「ビジネス」というワード自体が正しくないかもしませんが、収益の分配の方法に関しては、より多くの選択肢が用意され、コミュニティあった形で柔軟に設計することができるため、可能性が非常に大きいと感じています。 コミュニティの熱量を最大化させる設計、自動で再投資が行われる設計、逆にweb2のように中央集権型のサービスとして中央の手数料を分厚くする設計、そのいずれものケースにおいて柔軟にグラデーションを作って最適化できることがトークンエコノミーの醍醐味であり可能性だと感じています。

詳しくはポッドキャストで

さらに「あたらしい経済」では石濵氏にポッドキャスト・インタビューを実施。石濵氏がWeb2.0からWeb3サービスへの移行を考えたのか、どのようにIEOを実施するのか、Web3化の具体的な戦略などについて語ってもらった。ぜひ併せて聴いていただきたい。

→【音声取材】web3でSNSを民主化、IEOも予定の「Yay!」が目指す世界(ナナメウエ 石濱嵩博)

 

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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