【取材】JCBAが「NFTビジネスのガイドライン」を改訂、著作権や賭博該当性などを整理

JCBAが「NFTビジネスのガイドライン」を改訂、著作権や賭博該当性などを整理

一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が、「NFT関連ビジネスに関するガイドライン」を改訂し第2版を3月31日に公表した。

第一弾の同ガイドラインは2021年4月26日に公表された。内容としては「NFTのユースケース、NFTの法的性質、賭博、景表法、匿名性とプライバシー、セキュリティ、ユーザー保護、新規NFTの取扱い、NFTを発行・取り扱う事業者が留意すべき点」が説明されているものだ。

今回発表した改訂版は、21年4月公表の同ガイドラインに対して、著作権等に関する項目を追加したほか、賭博該当性についてNFTゲームのサービス設計に関する記述を整理したものとなる。

この改訂の目的は、NFT領域において消費者の保護に求められる留意点の整理により、事業者の円滑な参入と健全な市場育成を目指すためという。

具体的には「関連サービスの終了や事業者の消滅でNFTが無効化してしまう可能性のあるサービス設計の場合の留意点」や「NFTを発行する事業者が留意すべき点」を改訂した。

前者は「NFTが無価値になるリスクに対して、ユーザーへのリスクの説明を行うことが必要ではないか」という見解に至っている。

後者に関しては、民法上の所有権や著作権等の権利に関して、NFTを発行する事業者は「1.購入者との間の契約・利用規約等によりライセンスや譲渡の対象となる権利内容を適切に設定、2.デジタルコンテンツの著作権等の権利を適切に処理する手当て」について留意すべきとしている。

またNFTを取り扱う事業者は「1.取引対象の法的性質、2.取引の具体的な内容、3.取引に関するルール」に留意するべきだとしている。

そしてNFTの賭博該当性に関しては、昨年のガイドラインではパッケージ販売やガチャは賭博に該当する可能性が高いという記述にしていたが、サービス設計によっては賭博に該当しないと整理し得るという記載になった。

JCBAのNFT部会メンバーへ取材

あたらしい経済編集部は、JCBAのNFT部会の法律顧問で、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナーの長瀨威志氏、 森・濱田松本法律事務所パートナーの増田雅史氏、同部会長でコインチェック株式会社執行役員の天羽健介氏へ取材を行なった。

−−日本が世界を牽引する形でNFT市場を盛り上げるために、いま最も必要な規制改善ポイントはなんでしょうか?

長瀨氏:最重要ポイントがどれかは分かれるところだと思いますし、NFT特有の問題というよりはトークン事業全般の問題ですが、LPS法で投資対象が制限されておりトークン等に投資できないためにスタートアップに資金が流れていかないのが大きな問題と感じています。 匿名組合ファンドでNFT投資ファンド組成の相談も受けていますが、NFT取得のために必要なトークンを保有することが分別管理義務との関係で難しく、NFT事業を成長させるうえでファンド規制の見直しは必須と思っています。

増田氏:「世界をけん引する」という観点からは日本初の新たなトークンエコシステムを構築できるかという視点もあり、その妨げとして指摘が大きいのは法人課税のお話です。渡辺創太さんのAstar Networkの件もあり、この点に問題意識をもつ事業者様は多いと思います。

天羽氏:まず前提としては事業者の機動性を高めるためにNFTは暗号資産ではないというを線引きを可能な限り具体化することです。これまで後ろ盾となっていた過去の金融庁パブリックコメント見解に頼っている部分もあり、クリアであればあるほど事業者の参入が見込めるので市場拡大に効果的です。

−−NFTの法的性質の有価証券性への該当可能性は、現時点でどのように考えられていますか?

長瀨氏:NFTそれ自体の機能だけでなくNFTの取引に係る一連のスキームを見る必要があります。特にGameFiでNFTを活用するケースは、NFT保有者がほとんどファンド持分権者に該当するようなスキームもみられるようになってきており、個別の事案ごとに見ていかなければいけないと考えています。

参考:JCBA
images:iStocks/Rawpixel・ELIKA

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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