G7財務相「中央銀行デジタル通貨に厳格な基準を」

G7財務相「中央銀行デジタル通貨に厳格な基準を」

先進7カ国首脳会議(G7)は水曜日、中央銀行が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、金融・財政の安定という任務を遂行する中央銀行の能力を支援し、害を及ぼさないものでなければならず、また厳格な基準を満たさなければならないと発表した。

G7は水曜日の会合後、中央銀行デジタル通貨が発行されれば、現金を補完し、流動的で安全な決済資産として、また決済システムの要として機能することになると述べた。

しかし中央銀行デジタル通貨は、中央銀行の権限を侵害しない方法で発行され、プライバシー、透明性、ユーザーデータ保護のための説明責任に関する厳格な基準を満たさなければならないとしている。

そしてG7財務相は「いかなる中央銀行デジタル通貨も、透明性、法の支配、健全な経済ガバナンスに対する長年の公的なコミットメントに基づくべきである」と声明を発表した。

中央銀行デジタル通貨はクロスボーダー決済を促進する可能性がある一方で、G7は「国際通貨・金融システムへの有害な波及効果を最小化する責任を共有しなければならない」とも声明で述べている。

現在、世界各国の中央銀行は、金融システムを近代化し、国内外の決済を迅速化するために、独自のデジタル通貨を開発する取り組みを強化している。

デジタル通貨の発行については、中国が先行しており、G7の中央銀行は中央銀行デジタル通貨の発行に向けて共通の基準を設け、実験を進めている国もある。

 (Reporting by Leika Kihara in Tokyo; Editing by Christopher Cushing and Leslie Adler)
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
images:Reuters

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【6/18話題】米上院がステーブルコイン規制「GENIUS法案」可決、AIフュージョンが保有暗号資産の運用事業など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

JPモルガン、米ドル預金トークン「JPMD」をイーサL2「Base」で発行へ

米大手銀行J.P.モルガンチェース(JPMorgan Chase)が、機関投資家向け米ドル建て預金トークン「JPMD(J.P. Morgan Deposit Token)」をベース(Base)上で発行する。ベースのXアカウントにて6月17日に発表された。ベースは、コインベースが開発・運営するイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ネットワークである