米銀行持株会社NYCBとフィギュアテクノロジーズ、戦略的パートナーシップ締結

NYCBとフィギュアテクノロジーズ、戦略的パートナーシップ締結

米ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)とブロックチェーンスタートアップの米フィギュアテクノロジーズ(Figure Technologies)が、ブロックチェーンに関する取り組みを共同で行うための戦略的パートナーシップを締結したことを8月16日に発表した。

1869年設立の上場企業NYCBは銀行持株会社で、2021年6月30日現在、資産575億ドル、ローン436億ドル、預金342億ドル、株主資本69億ドルとなっている。NYCBがメインで提供しているサービスは一般家族向けの多世帯ローンだ。

現在NYCBの戦略的優先事項には、ブロックチェーンを活用した銀行業務や信用取引における金融包摂をサポートすること、住宅ローン事業内のコストと複雑さを軽減すること、より迅速で安価な決済システムをサポートすることが含まれている。

2018年設立のフィギュアテクノロジーズはブロックチェーン技術を活用したスタートアップで、現在ユニコーン企業となっている。2020年には三菱UFJフィナンシャルグループがフィギュアテクノロジーズへ出資を行なっている。

そして両社はパートナーシップを締結することで、フィギュアテクノロジーズのブロックチェーンアプリケーション「Provenance Blockchain」を活用したプロジェクトにそれぞれの資源や資本を割り当てていくようだ。「Provenance Blockchain」は、ローン発行及び売却コストを削減し、セキュリティを高めるソリューションを提供するブロックチェーンアプリケーションである。

NYCBの会長兼社長兼CEOのトーマス・カンゲミ(Thomas Cangemi)氏はパートナーシップ締結に関して次のようにコメントをしている。

「規制の厳しい金融サービス業界向けに構築されたProvenance Blockchainを用いて、Figure社と様々な取り組みを行うことができ、大変嬉しく思っています。Figureとのパートナーシップ締結は、NYCBが戦略的に注力しているブロックチェーン技術が銀行業務の様々な分野でもたらす業務上およびコスト上のメリットの一環です。現在、私たちは銀行に関連する多くの機能を活用するために必要なインフラを構築しています」

フィギュアテクノロジーズのCEOであるマイク・キャグニー(Mike Cagney)氏は次のようにコメントしている。

「Provenance Blockchainをベースに構築された私たちのブロックチェーンアプリケーションは、金融サービス業界を大きく変革する可能性を秘めています。私たちは、決済、融資、取引所などの分野で革新的なブロックチェーン・ソリューションを追求しています。7月に、Apollo Global Management Inc.との戦略的合意を発表しましたが、今回Provenance BlockchainのアーリーアダプターとしてNew York Communityと協力できることを嬉しく思います」

さらに両社はブロックチェーンのインフラやビジネスへの投資・開発を行うファンド「JAM FINTOP Blockchain」に出資することも発表した。

参考:フィギュアテクノロジーズ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Who_I_am

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

米コインベースが「トークン化株式取引」の提供計画、SEC承認取得を目指す=報道

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、「トークン化株式(tokenized equities)」の取引提供を計画しており、米証券取引委員会(SEC)からの承認取得を目指していることが分かった。同社CLO(最高法務責任者)ポール・グレワル(Paul Grewal)氏の発言をもとにメディア「ロイター(Reuters)」が報じた

【6/17話題】ストラテジーが1万100ビットコイン追加購入、トランプTruth SocialのBTCとETH連動の複合型ETFなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米金融大手キャンターがソラナ(SOL)トレジャリー企業に強気評価、DFDVなど3社を高評価

米大手金融サービス企業キャンター・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)が、ソラナ(SOL)を財務資産として大量に保有する企業、DeFi Development(DFDV)、Upexi(UPXI)、Sol Strategies(HODL)に対するカバレッジを6月16日に開始し、いずれも「オーバーウエイト」評価に設定したことが分かった