カンボジア中銀とマレーシアのメイバンク、バコン活用の国際送金サービス提供開始

カンボジア中銀とマレーシアのメイバンク、バコン活用の国際送金サービス提供開始

カンボジア国立銀行(NBC)とマレーシア最大の銀行メイバンク(Maybank)が、マレーシアとカンボジア間のリアルタイム資金移動サービス「Maybank-Bakong Cross Border Funds Transfer」を8月13日に発表した。

このサービスにはカンボジア国立銀行のデジタルウォレット「バコン(Bakong)」とメイバンクのアプリ「MAE」が活用されているとのこと。バコンには日本企業ソラミツが開発したブロックチェーン「Hyperledger Iroha(ハイパーレジャーいろは)」が活用されている。

このサービスを利用すれば、メイバンクの顧客が、「バコン」に登録されている受取人の携帯電話番号を入力するだけで、「MAE」を介してカンボジアの友人や家族、ビジネスパートナーに直接送金できるとのことだ。現在の送金上限額は、1日約27万円(2,500ドル)となっている。

まずマレーシアからカンボジアへの送金が可能となり、カンボジアからマレーシアへの送金は後日展開される予定だ。

そして今回のサービス開始に伴ってメイバンクはプロモーションを行っており、2021年12月31日までの間に行われるすべての送金について、サービス手数料を免除するとのことだ。

カンボジア国立銀行のチェア・チャント(CHEA Chanto)総裁は、この発表に際して次のようにコメントをしている。

「カンボジアとマレーシア間のバコンのクロスボーダー決済・送金は、両国の人々、特に家族を養うための資金を安全かつコスト効率の良い方法で送金する必要のある出稼ぎ労働者のために、テクノロジーをさらに活用することで、両国の金融協力が新たな段階に到達することを確信しています」

メイバンクのグループ社長兼CEOであるダトゥク・アブドゥル・ファリド・エイリアス(Datuk Abdul Farid Alias)氏は、次のようにコメントしている。

「メイバンクがカンボジア国立銀行のサービスであるバコンのパートナーとして世界で初めて提携したことを光栄に思います。メイバンクは、実用的なデジタル金融ソリューションを提供し、お客様、特にマレーシア在住のカンボジア人に金融面でのエンパワーメントを提供するこの意義深い取り組みに参加できることを嬉しく思います。

当社のASEANネットワークとデジタル機能を活用して、マレーシアとカンボジア間の資金移動を変革し、市場で最も便利で費用対効果の高いサービスを提供します。また今回のサービス開始は、MAEアプリで初めての海外送金機能であり、メイバンクのデジタルジャーニーにとって新たなマイルストーンとなります」

参考:メイバンク
images:iStocks/CallMeTak

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【4/25話題】バイナンス創業者CZに懲役3年が求刑、チェーンリンクの「CCIP」が一般提供開始など

米検察当局、バイナンス創業者CZに懲役3年を求刑、Samourai Walletの創設者らがマネーロンダリングの容疑などで逮捕、ワールドコイン子会社、トレジャリーから「WLD」販売で資金調達へ。ネットワーク成長支援のため、チェーンリンク、クロスチェーン相互運用プロトコル「CCIP」を一般提供開始、ソラミツ、ブロックチェーンアプリの運用管理基盤「磐船(IWAFUNE)」をBaaSで提供へ、HEALTHREEのガバナンストークン「GHT」、海外暗号資産取引所MEXCへ上場決定