JCBとLayerX、次世代金融とプライバシーに関するコンセプトペーパー発行

JCBとLayerX、次世代金融とプライバシーに関するコンセプトペーパー発行

株式会社ジェーシービー(JCB)と株式会社LayerX(レイヤーエックス)が、次世代金融とプライバシーに関するコンセプトペーパーを共同で作成し7月26日公開した。

リリースによると業種や業界を超えた取引情報の共有に際しては、データ保護、プライバシーの観点から、取引情報の閲覧権限を主体毎に柔軟に設定できる仕組みが情報の提供者に求められることに加えて、与信情報の照会・確認等に必要となるデータ演算を、データを秘匿したまま行う高度なプライバシー技術が要求されるという。そのため今回両社は取引履歴の管理をはじめとする次世代の金融取引を展望した上で、秘匿化・プライバシーの確保を通じて可能になるとみられるコンセプトについて取りまとめたとのこと。

なおコンセプト検討においては、明治大学政治経済学部教授の小早川周司氏とナッジ株式会社の代表取締役社長である沖田貴史氏に協力を仰いだとのことだ。

コンセプトペーパーでは、秘匿化によって可能となる、プライバシー保護とデータ利活用の両立にむけたユースケースとして、「1.取引トラッキング」「2.決済データ秘匿化とAML」「3.決済履歴データの利活用」「4.デジタルID基盤」および「5.組織間連携ペイメント」が挙げられている。

なおこれらのユースケースの実現にむけた技術的手段として、LayerXでは次世代のセキュリティ・プライバシー保護技術「Anonify」の研究開発を進めていると説明されている。

「Anonify」は、PCやスマートフォンなどの端末に備えられたプロセッサのセキュリティ機能である「TEE」を応用し、データ利活用とデータ保護の両立を実現する秘匿化ソリューションで、データを秘匿化したまま様々なビジネスロジックを実行可能な点が特徴とのことだ。

コンセプトペーパー「次世代金融とプライバシー」はこちら

参考:LayerX
デザイン:一本寿和
images:iStocks/AndreyPopov

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

アリババ傘下のアント・グループ、サークル「USDC」を独自チェーンに統合か=報道

中国のテクノロジー・コングロマリットであるアリババグループ(Alibaba)のフィンテック関連企業であるアント・グループ(Ant Group)が、独自チェーン「アントチェーン(AntChain)」に、米ドル建てステーブルコイン「USDC」を導入する計画を進めていると、「ブルームバーグ(Bloomberg)」が7月10日に発表した

【7/11話題】ビットコインが円建てで最高値更新、Oasysが不動産投資GATESとRWA領域で提携など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

デジタル資産運用企業ReserveOne、マントルやクラーケン、ギャラクシーらが戦略投資家に

現在、米ナスダック上場を計画しているデジタル資産運用会社リザーブワン(ReserveOne)の投資家として、web3エコシステムのマントル(Mantle)や暗号資産(仮想通貨)取引所のクラーケン(Kraken)、暗号資産運用会社ギャラクシーデジタル(Galaxy Digital)、VCのパンテラキャピタル(Pantera Capital)らが参画したことが7月8日に発表された

EU規制当局、マルタの暗号資産ライセンス審査プロセスに懸念

欧州連合(EU)の金融規制機関である欧州証券市場監督局(European Securities and Markets Authority:ESMA)は7月10日、マルタ金融サービス庁(Malta Financial Services Authority:MFSA)が、EUの新たな規制制度のもとで暗号資産(仮想通貨)企業にライセンスを付与する際、リスク水準を十分に評価していなかったと指摘した